本日はお忙しいところ、LPレコードコンサートに来ていただきありがとうございます。

2002年から2019年まで開催して来ましたこのLPレコードコンサートもコロナ禍で3年余り自粛してきましたが、ようやく規制が緩和され以前のような形での開催が可能となりました。

引き続きマスクの着用など感染防止のためにご協力いただき、当面は2時間以内での開催となりますが、以前のように音の良い名盤を聞いて頂こうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

本日は通算で75回目となりますが、ロマン派以降の作曲家が作曲したヴァイオリン協奏曲4曲を名演奏家の演奏で聞いていただきます。なお時間の都合がありますので、曲名および4人の演奏家の紹介は少しだけさせていただきます。

最初はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。クラシックファンの誰もが認めるヴァイオリン協奏曲の名曲でクラシック音楽のエッセンスが詰まっている名曲です。今日は私が一番好きなアルフレード・カンポーリの演奏をお聞きいただきます。カンポーリはイタリア出身の演奏家で他に同じレコードのブルッフのスコットランド幻想曲の名演やクライスラー小品集の名盤があります。演奏時間は約27分です。

次にお聞きいただくのはシューマンのヴァイオリン協奏曲です。シューマンのピアノ協奏曲は有名ですが、ヴァイオリン協奏曲はあまり聞かれません。というのはこの曲の演奏が非常に難しいからです。特に第1楽章の終わりのところが難しく、シェリングの演奏を聞くと名演奏家が苦労して演奏しているのがよくわかります。クーレンカンプの演奏は唯一この難曲の完璧な演奏と言えます。ゲオルク・クーレンカンプはドイツ出身のヴァイオリニストでこのレコードの他にベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、ショルティと共演したブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲があります。演奏時間は約28分です。

3番目にお聞きいただくのは、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番です。このヴァイオリン協奏曲はジノ・フランチェスカッティの名盤がありますが、グリュミオーの演奏は更に洗練されています。アルテュール・グリュミオーはベルギー出身のヴァイオリニストでモーツァルトヴァイオリン協奏曲全曲の名演をデイヴィス指揮ロンドン交響楽団との共演で残しており、モーツァルトの曲でたくさんの名演を残しています。演奏時間は約28分です。

最後はシベリウスのヴァイオリン協奏曲です。シベリウスは第1番、第2番、第5番、第7番の交響曲も素晴らしいですが、この曲はさらにヴァイオリンの美しい音色が加わった素晴らしい曲です。ジネット・ヌヴ―やダヴィッド・オイストラフの名盤もありますが、今日はヤッシャ・ハイフェッツの演奏を聞いていただきます。ハイフェッツは旧ソ連リトアニア出身のヴァイオリニストです。RCAレコードにたくさんの高音質リビング・ステレオの名盤を残していて、このヘンドル指揮シカゴ交響楽団と共演したシベリウスのヴァイオリン協奏曲もその中の一つです。演奏時間は約28分です。