本日はお忙しいところ。LPレコードコンサートにお越しいただきありがとうございます。
本日は通算で78回目となりますが、ドイツの指揮者カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルの演奏を聞いていただきます。名指揮者エーリッヒ・クライバーを父に持つカルロス・クライバーは1930年ベルリンで生まれました。第二次大戦中にアルゼンチンに亡命したり、スイスの工科大学に入学しますが、1950年代前半から指揮者としての活動を始めました。1968年にバイエルン国立歌劇場の指揮者となった頃から名声を確立して、ウィーン国立歌劇場、ロンドンのロイヤル・オペラで指揮をとり、1973年にはバイロイト音楽祭でも指揮します。1978年にはシカゴ交響楽団を指揮してアメリカ・デヴューを果たしますが、カルロス・クライバーは生涯、特定の歌劇場、交響楽団などと常任契約を結ぶことはありませんでした。
カルロス・クライバーは特定の楽団と常任契約を結ぶことがなかったため、録音が少なく、演奏会の回数も多くありませんでした。また体調不良でしばしば演奏会のキャンセルもあったようです。それでも日本で5度来日して演奏会を行っています。レコードの名演奏としては、本日、聞いていただくベートーヴェンとブラームスの交響曲の他、ウェーバー「魔弾の射手」、ヨハン・シュトラウス2世 喜歌劇「こうもり」、ヴェルディ「椿姫」、ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」などがあります。
私は最近までなぜカルロス・クライバーに人気があるかわかりませんでしたが、昨年、リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」のDVDでその繊細で見栄えのするかっこいい指揮を見て、これならクラシックファンなら誰でも一度彼の指揮を演奏会で見てみたいと思うだろうと納得しました。ポップ、ファスベンダーが出演しているこのDVDを購入しなくても、YOU
TUBEで1986年の来日公演のベートーヴェン交響曲第7番の第4楽章を見ることが出来ますので、是非、ご覧になってください。
最初に聞いていただくのは、ベートーヴェンのj交響曲第7番です。テレビドラマで取り上げられ、さらに有名になった曲で、ベートーヴェンの交響曲の頂点と言われる曲です。またカルロス・クライバーの名演で有名になったと言えますが、他にフルトヴェングラー ワルターのの名演があります。カルロス・クライバーの若々しくエネルギッシュな指揮がこの曲の魅力を引き出していると思います。演奏時間は約38分です。
次に聞いていただくのは、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」です。フルトヴェングラー、クレンペラーの名演がありますが、やはりこの曲もカルロス・クライバーの名演がより光ります。第三楽章から最後までの盛り上がりに私は何度聞いても勇気づけられます。演奏時間は約33分です。
最後に聞いていただくのは、ブラームスの交響曲第4番です。私はワルター盤が好きでしばしば聞きます。カルロス・クライバーのブラームスの交響曲録音は第4番のみですが、他の交響曲も録音してくれていたら楽しめて良かったのにと思います。演奏時間は約39分です。
本日のアンコール曲はカルロス・クライバーのデヴュー・アルバムのウェーバーの「魔弾の射手」から序曲を聞いていただこうと思います。演奏時間は約10分です。
これからもアナログレコードの音質の素晴らしさをこの名曲喫茶ヴィオロンの素晴らしいオーディオ装置で皆さんと一緒に楽しみたいと思いますので、今後ともご来店の程、よろしくお願いします。