本日はお忙しいところ、LPレコードコンサートのお越しいただきありがとうございます。

本日は通算で84回目になりますが、ヴァイオリン小品集の名盤「ジュピリー・レコード」と「クレモナの栄光」ということで、ミッシャ・エルマンとルッジェーロ・リッチのレコードを聞いていただきます。

エルマンとリッチの経歴の前にヴァイオリン小品集についてお話ししたいと思います。ヴァイオリンの大家としてまず思い浮かぶのはオイストラフとハイフェッツですが、ヴァイオリン協奏曲の名盤はありますが小品集の有名なものはありません。小品集はミルシテインが多く残していますが、有名なのはクライスラーです。クライスラーはドヴォルザークのユモレスクやシューベルトのアヴェ・マリアを編曲したものや自作の曲の小品集がありますが、クライスラーが小品集の曲をまとめてレコードにしたのではなく、彼がSP録音したものをLPレコードにまとめたものです。クライスラーが作曲・編曲した曲は他の演奏家の演奏会でよく取り上げられ、シェリング、カンポーリ、フランチェスカッティ、パールマンなどはクライスラー作曲・編曲のレコードを残しています。私がヴァイオリン小曲集を愛聴するようになったのはパールマンのクライスラー小品集を聞いてからですが、そのアルバム(2枚組の日本盤)に収められていたロンドンデリー・エアは何度も何度も聞きました。

エルマンはクライスラーとほぼ同時代の演奏家ですが、LPレコードの時代になっても活躍していて全盛期とは違った味わいのある演奏を残しています。ツィゴイネルワイゼンは全盛時代と比べると技巧の衰えはありますが、「ジュビリー・レコード」の他の曲は味わい深い演奏です。そうしてそれから4年してアメリカのヴァイオリニスト リッチが主にストラディヴァリウスを弾いて「クレモナの栄光」というレコードを録音しました。ストラディヴァリウスなどイタリアのクレモナで製作されたヴァイオリンを使って(それぞれ違うヴァイオリンで)有名な味わい深い小品15曲を録音したものがアメリカのデッカ社でレコーディングされました。

ミッシャ・エルマンは1891年にウクライナに生まれました。オデッサの官立音楽学校で学んだ後、1904年にベルリンでデヴュー、1905年にはロンドンでデヴュー、1908年にはアメリカでデヴューします。1923年にはアメリカの市民権を得ます。エルマンはSPレコードの時代にたくさんの録音をしていて、本日聞いていただくレコードにもいくつか同じ曲があります。
ルッジェーロ・リッチは1918年にアメリカのカリフォルニア州で生まれました。幼くして神童としての頭角を現しアメリカ各地で演奏会を開催しましたが、1930年代にベルリンに留学して、クーレンカンプ、アドルフ・ブッシュに師事しました。美音と華麗な演奏技巧で70年以上アメリカだけでなく世界各地で活躍しました。

それではまず、ミッシャ・エルマンの「ジュビリー・レコード」をお聞きください。マスネ―のタイスの瞑想曲、シューベルトのアヴェ・マリア、ドヴォルザークのユモレスク、チャイコフスキーのメロディはとてもいい演奏だと思います。演奏時間は約55分です。

次にルッジェーロ・リッチの「クレモナの栄光」をお聞きください。デプラーヌのイントラーダ、パラディスのシシリエンヌ、パラディスのシシリエンヌ、メンデルスゾーンの五月のそよ風はとてもいい演奏だと思います。演奏時間は約49分です。

本日もアンコール曲を用意しました。エルマンもクライスラーの小品集があり、その中からドヴォルザークのスラヴ舞曲第3番をお聞きいただきます。続いてクライスラー演奏のロンドンデリー・エアを聞いていただきます。

これからもアナログレコードの音質の素晴らしさをこの名曲喫茶ヴィオロンの素晴らしいオーディオ装置で楽しみたいと思いますので、今後ともご来店の程、よろしくお願いします。