プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 お寿司より焼き魚が好き編」

わしが幼少の頃、お寿司は今みたいにスーパーでいつでも買えるような食べもんではなかった。中学1年生までは父親が何回か飲み会の手土産で持って帰って来た1合の握り寿司を家族みんなで分けて食べたくらいで、わしは🐙と🦑だけいつも食べとった。中学2年生になって映画ファンになったわしは、ロードショウを見るために月に1回くらい大阪梅田に出るようになったんやが、当時一緒に行動した一つ上の人が、お寿司が食べられるよーと連れて行ってくれたんが阪神百貨店の地下食堂街やった。その時食べたんが、🦑🐙マグロのセットで、600円くらいやったと思う。阪神の食堂街は他にもいろんな和食洋食がリーズナブルな値段で食べられて重宝しとったんやが、一番よく食べたのは、🍦が上に乗ったファンタメロンのフローズンシャーベットやった。(高校野球を見に行った帰りによう立ち寄った)それでもそこでお寿司はよう食べた。高校3年になると母親が寿司飯を炊いてよくお寿司を握ってくれたもんやったが、タイ、イクラ、ウニが出ることはなく、ハマチ、🦑、🐙がほどんどでマグロがちょびっとやった。わしが🦑と🐙が好きになったのは、このあたりのことが原因なんかもしらん。お寿司はヘルシーで花のある料理やから、全国の海産物が売りの観光地で食べたことがある。小樽、函館、青森、築地、金沢、高知なんかでお寿司を食べたけど、やっぱりスーパーで550円の一合握りとは大違いや。そやけどわさびが効いていたら結構おいしいから、週に1回くらいは食べたくなるんや。船場はちいこい時から、焼き魚や煮魚をよく食べたと聴いとるが、あいつは今までどんな風に魚を食べて来たんやろ。きいてみたろ。おーい、船場おるかーっ!はいはい、兄さん、私もお寿司は大好きで、贔屓にしているのは高槻センター街にある小柳寿司店と高槻松坂屋地下食料品街にある京樽の握りが好きですね。それから今は西武高槻店から阪急高槻店に名前が変わったんですが、西武の地下食料品店街では煮魚をよく買いました。その店のカレイやサバの煮つけは絶品でしたが、お店の入れ替えでオムそばやキムチ入り豚玉が食べられたお好み焼き屋さんと共に姿を消してしまいました。自分で握りずしを作ろうとは思いませんが、寿司太郎を使ってのバラ寿司はたまに作ります。ほたら、煮魚とか焼き魚は自分で作らへんのんか。いえいえ、オーブンレンジにアルミホイルを敷いてサバやシャケを焼いたりします。15~20分で美味しく焼けます。でもとても残念なのはうちのガスコンロは3つの鍋用のコンロが上にあって本体の中央部に魚を焼くためのコンロがあるのですが、上にあるコンロでは、焼き網を乗せて魚や餅が焼けないのです。焼きナスや豆餅を焼こうとしたのですが、上手く行きませんでした。強火にしてもすぐに弱火になり、20分しても焦げ目がつかないので諦めました。内蔵されたコンロは焼き具合がほとんどわからず勘に頼るしかないので、やっぱり魚を焼くのはオーブンレンジでしかできないのです。あんた、シャケとサバがちゃんと焼けるんやったら、それで充分とちゃうのん。いえいえ、焼きナスもしたいですし醤油を塗りながらトウモロコシを焼いてみたい、それからイカ焼きも。そやけどその3つは煙がようけ出るから、やっぱりダクトと一体型のコンロは内臓コンロしか使えんように設定されるんとちゃうんか。そうかもしれませんが、思うように焼けないのはイライラします。他にも焼きたいものがありますから。ほう、それは何や。実は、私は干物が大好きで、アジやカレイを何とか自分で焼きたいと思っているんです。特にタマゴが入っている(つまりメスですね)カレイあれは最高です。昨日、近所のスーパーで島根県浜田市産のカレイの干物が2尾398円(税抜き)で売っていたので、迷わず買って帰りました。ところが、アルミホイルで26分焼いてみましたが、アルミホイルにべっちょり付着して剝がそうとするとぐちゃぐちゃになってしまいました。よい具合に焼けていたのですが、食べる時の見た目はよくありませんでした。それでも40年ぶりに食べたカレイのタマゴは美味しかったです。アルミホイルに皺をつけるなどいろいろやってみようと思っていますが、やっぱり見ながら焼くのが一番ええと思うんです。そらそやけど、サンマなんかそうして焼いたら、部屋中に煙が籠って、濃い霧が発生したみたいになるんとちゃうん。そしたら側においてる文庫本やCDがこてこてになるかもしれへんよ。そうですね、それは兄さんが言われる通りやと思います。そうや、お前、ええこと教えたるわ。ホームセンターやったら、七輪を売ってるから、それを買うて来て、自宅の前で炭火を使って魚を焼いたらええねん。そんなことをしたら、あほやと思われへんでしょうか。いやいや、きっと珍しいから、古風な近所の住人ということで町内で有名になるかもしれへんよ。そうですか、そしたらいっぺんやってみようかな。やれやれ。