串本ってええとこですよ(2022年4月30日)

本州最南端の街串本町には、潮岬灯台、橋杭岩、串本海中公園、潮岬観光タワー、紀伊大島にある海金剛などなど魅力的な観光スポットがたくさんあり、以前から行ってみたいと思っていました。ただ北摂に住む私が和歌山方面に行くためには阪和線の出発点の天王寺まで在来線を乗り継いで行かなければならず、それだけで1時間以上かかると思い込んでいました。しかしネットで調べてみると新大阪からスーパーくろしお号が出ていて、串本までは3時間半ほどで行けるということを知り、午前6時30分に家を出て串本に午前11時過ぎに着くのなら一度行ってみようかと思い立ちました。


コロナ禍のせいもあり、ゴールデンウィークの最初の日なのに満席ではなく天王寺を過ぎても7割くらいで隣の座席は空席でした。くろしお号は振り子電車でよく揺れると以前は言われていたのですが、車体が改良され揺れが少なくなりとても快適でした。乗客のほとんどは白浜(そのほとんどがアドヴェンチャーワールドでパンダを見られるようでした)で下車し白浜を過ぎると2割くらいの乗客になりました。御坊の辺りから海が見られるようになり、天気がわりと良かったので今日は串本での観光が楽しめそうだと期待感が高まりました。いつもなら出発前にガイドブックを購入するのですが、急に思い立ったので書店までガイドブックを買いに行く時間がありませんでした。それで私は串本駅に到着するとすぐに観光センターに行きました。担当者の方とても親切な方でいくつかの地図を見せながら、観光スポットを紹介してくださいました。そうして大雑把ですが、串本海中公園、潮岬灯台にまず行き、紀伊大島観光(外観のみ)、橋杭岩を見てから駅前を散策、串本マリンセンターあたりで夕焼け(日没は午後6時40分)を見て、予約してある午後6時38分のスーパーくろしお号で帰阪することにしました。バスが余りないのでタクシー頼みになるなと思いましたが、串本海中公園には午前11時25分に送迎バスが出ているということでそれを利用することにしました。送迎バスの利用者は70代くらいの女性と私だけで、串本海中公園に来られていたほとんどがマイカー利用の家族連れでした。
  

串本海中公園には興味深い展示の水族館やウミガメ広場がありますが、やはり目玉は海中展望塔だと思います。
水族館は外観は歴史を感じるものですが、内装はリニューアルされていて雰囲気もよかったです。写真は撮っていませんが、水中トンネルもありました(ウミガメ広場も同じです)。
  

海中展望塔は海中に設置された壺のようなものに降りて行くのですが、それまでに鉄骨で作られた階段、遊歩道を歩くのです。遊歩道のところにはシートが掛けられてありましたが、もしシートがなければ金網から約10メートルくらい下の海が見えるのでとても歩けなかっただろうなと思います。シートがあったので、10分足らずで、壺の中に入ることが出来ました。
  

海中展望塔を出てすぐにレストランで昼食を取った私は、次の目的地へ向かうため水族館の受付でタクシーを呼んでいただくよう依頼しました。15分すると串本タクシーのMさんがやって来られました。Mさんのタクシーには2度乗ることになるのですが、追って記述します。
タクシーに乗車してすぐに私はMさんに行き先をどうするか迷っていると告げました。以下、Mさんと私の会話です。
「せっかく大阪から来たので潮岬灯台だけでなく、大島の方にも行ってみたいと思います。大島へ渡る橋の写真が撮りたいのと、名所があれば回ってもらえませんか。そしたら料金はどうなりますか」
「ここから潮岬灯台に行くだけなら4,000円くらいですが、大島の橋を渡って金山展望台まで行かれるなら8,000円くらいになるでしょう。金山展望台よりも海金剛まで行かれることをお薦めします。その後潮岬灯台に行かれてはどうですか」
「くしもと大橋の写真も撮りたいのですが」
「そのあたりで停めますよ」
海金剛は、Mさんが言われる通り素晴らしい景色でした。潮岬灯台に行く途中、くしもと大橋の手前で車を止めてもらいました。
  

潮岬灯台のところでMさんとお別れしましたが、Mさんは24才の頃から私が通った大学のある京都で25年間タクシー運転手をされていたということもあり話が弾みました。もしかして京都の大学を卒業してからタクシー運転手になられたのではと私が尋ねるとMさんは、いえいえ、私の場合は最初からタクシー大学ですと言われました。またMさんは私の4つ年上で、深夜に仕事中に聴かれたラジオ(深夜放送)のことでも楽しい会話ができました(笑福亭鶴光さんのオールナイトニッポン、つボイノリオさんのハイヤング京都はよく聴かれたそうです)。Mさんはあとでまた登場されるので、潮岬灯台に急ぎましょう。
潮岬灯台は本州最南端にある灯台でその外観の美しさに惹かれ、私は一度は行ってみたいと思っていました。それでも遠くて他に観たいものがないということで、先送りしていました。今回、スーパーくろしお利用でアクセスがよくなることを知り、串本海中公園や橋杭岩などの観光資源があることを知ったので重い腰を上げたのでした。一度は行ってみたかった潮岬灯台もとても良かった。来た甲斐がありました。灯台に登って辺りを見回すと、天気がよかったので遠くまで見渡すことが出来ました。私が見たかった南側の水平線も見ることが出来ました。
  

  

潮岬灯台を出て、時計を見ると午後2時40分でした。昼食がお刺身定食でボリュームがなかったのでお腹がすいてきました。それにタクシーを呼ぶためにも大きな施設の公衆電話を探すことも必要です。それでMさんから教えてもらった南紀熊野ジオパークセンターと潮岬観光タワーに行くことにしました。10分程で到着してジオパークセンターの受付の人からレストランが午後3時までと言われて慌ててレストランに行ったのですが、閉店の表示が出ていました。私はとてもお腹が空いていたので、とにかく何かお腹が満たされるものを食べたい、橋杭岩に行けば観光スポットなので、たこ焼き、焼きそば、たい焼き、イカ焼きなどのお腹が満たされるものを食することができるのではないかと思いました。そこでタクシーを呼ぶことにしたのですが、串本タクシーの方が私のリクエストに応えてくださり、Mさんのタクシーに乗ることが出来ました。私が、こちらでは大阪の民放が聴けるのですかと尋ねるとMさんは、ここではNHKと和歌山放送しか入りません。三重県まで行くとCBCが聴けるので、つボイノリオさんの「聞けば聞くほど」を聴きますと言われました。私は今から20年前にその放送をよく聴いていたので、今でこそ落ち着いた放送になりましたが、その頃はあまりにエッチな放送だったので、お昼の深夜放送と言われていましたねと言うとMさんは頷きました。Mさんは橋杭岩で食事できるところと私から言われて干物屋さんの前で下ろして下さりましたが、その店は午後3時までで店の前まで行くと、もう食事はしてませんと言われました。おいしそうな干物が並べられていましたが、そのまま食べられないので、近くの土産物屋で空腹を満たすものを探しました。どちらかというとぽっちゃりタイプの私はお腹がすくといらいらして何もしたくなくなるのです。土産物屋で饅頭やクリームサンドを購入して食べても良かったのですが、それだと包装が大がかりなのでゴミがたくさんになるだろうと他の食べ物を探しました。そうして見つけたのが、さつま揚げを加工して棒をさしたさつま揚げスティック(そう言うのかわかりませんが)でした。エビマヨ入りとタコ入りの2本を買って、店の前のベンチでそれを食してから、橋杭岩の撮影に取り掛かりました。Mさんは串本の最高の観光スポットと言われるだけあって、観光客もたくさん来られていましたが、1時間すると急に空が暗くなってきました。そんなこともあって私は午後4時30分には撮影を止めて、市街地の方へと歩き始めました。Mさんから勧められたお店、萬口(マンコウ)に行くためでした(ここのカツオ茶漬けがおいしいと言われました)。
  

小雨に降られる中30分程歩いて着いたマンコウでは、カツオ茶漬けのほか、カツオの煮つけ、カツオのたたきのセットを注文しました。流行の店で若い人も沢山来られていて味も良かったので、ウナギのかば焼き竹も頼みました。どれもとてもおいしかった。その後午後6時38分のスーパーくろしおに乗って帰阪しましたが、自宅に着いたのは午後11時を少し回っていました。とても楽しかったし、またMさんとご一緒したいのですが、他にも行きたいところがたくさんあるのでいつになるかは今のところわかりません。