プチ小説「青春の光13」(ここでは、正しくない「」の使い方をしますが、ご了承下さい)

「橋本さん...。今日は先を急がなければならないので早速始めます」
「うーむ。なぜだか分からないが、田中君がそう思うんだったら始めたまえ」
「今日は、「マトリョーシカな話の謎」です。では、さっそく始めます。
 失敗続きのB君でしたが、猛暑日にS子とデートすることができました。
 二人は円山公園のしだれ桜の側のベンチにソフトクリームを買って、座りました。
 「「ねえBさん、何もこんな熱い日に円山公園に来なくてもいいと思うのよ。ここは
   やっぱり春にこのしだれ桜や秋に紅葉を見に来るところだと思うの」」
 「「そりゃー、どこかいいところがあればいくけど、ぼくが知っているのは府立植物園とここしか...」」
 「「いいわ、じゃあ、何か話をしてよ。面白い話を」」
 「「よし、それなら、甲と乙の会話をしよう。最初はそれぞれの会話と分かるようにするけど
   後半は自分で想像して下さい」」
 「「甲と乙って変な感じ。どちらの会話か分かるかしら。話がややこしくなって来ているのに」」
 「「それじゃー始めるよ。甲は忘年会の演芸で同僚を驚かせるのが好きでした」」
 「「そう、なんだかAさんみたいな人ね」」
 「「そうだね。ある日、甲は友人の乙に相談しました。
  「「「ねえ乙君、今度の忘年会でみんなをあっと言わせたいと思うんだけれど、何かいいネタはないかな」」」
  「「「忘年会って、甲君、まだ8月だよ。今から準備をするのかい」」」
  「「「もちろん、早いうちに準備していれば、完成度はより高いものになるだろうし」」」
  「「「そうかな、ぼくは師走の慌ただしい時にばたばたと演目は決まるのだと思うんだけれど」」」
  「「「まあ、いいじゃないか。それより、何かいいのはないかな」」」
  「「「甲君が知性溢れるものでしかも面白いものをと言うから考えたんだけれど、朗読というのはどうだろう」」」
  「「「なるほど、それは面白い。で、内容も少し考えてくれているんだね」」」
  「「「少しだけれど...。古典の名作を朗読するより、創作したものを朗読したほうがインパクトがあると思うんだ。
     ここでは、丙君と丁君の会話とすることにしよう。最初はそれぞれの会話と分かるようにするけれど
     後半は自分で想像して下さい。丙君は忘年会の演芸でみんなをびっくり仰天させるのが好きでした。ある日
     丙君は友人の丁君にそのことを相談しました。
   「「「「折り入って君に頼みがあるんだけれど」」」」
   「「「「なんだい」」」」
   「「「「実は...」」」」
「田中君...」
「橋本さん、止めないで下さい。次はC君とD君の会話があって、その次にE君とF君の会話が続くのですから...」
「......」