プチ小説「座談会「船場氏の8月の旅行」を考える」
「こんにちは、「青春の光」で橋本さんの相手方をしている田中です。今日は船場さんから、8月に夜景撮影のために函館に行く予定なのだが、せっかく遠方に飛行機で行くのだから、それだけではもったいない。もう一泊追加してより充実した旅行になるように、われわれで検討してほしいとのご依頼がありました」
「わし思うねんけど、まずはどの時間にどうやって函館まで行くかから始めるんがええと思うよー」
「JALやったら、伊丹発午前11時35分発函館着午後1時5分というのがある」
「船場さんは格安航空券のことは考えていないということです」
「それでも航空券は早く申し込むと早割りがあるから早く日程を決めた方がええ。JALって決めたんやったら、押さえといたらええんとちゃう」
「船場さんはホテルの予約や帰りの新幹線のチケットと一緒にJTBで購入すると言われていました」
「ちょっと待ってください。今、インターネットで調べたんですが、午前6時30分頃に船場さんの自宅近くのJRの駅から出発して函館駅に着くのが午後2時5分と言うことですから、これも選択肢に入れておくのがいいのかもしれません。因みに飛行機だと4万9千円ですが、新幹線の乗り継ぎだと3万4千円になります」
「船場は間が抜けとるから、行きも新幹線で行くことを思いつかんかったんやな。ほんでー午後1時35分に函館空港に着いてそれからどうするんや」
「函館駅までシャトルバスで20分、路線バスで33分と言われています。料金が150円しか変わらないですから、すぐに乗車できるのだったらシャトルバスがいいでしょう」
「多分、船場は函館朝市で昼食を食べてから、午後3時頃から観光を始めるわけや。この時間やと特急でも片道4時間近くかかる札幌は無理やろな」
「札幌どころか室蘭でも無理でしょう。夜景を撮るために函館に行くのですから、下調べを充分して夜景の撮影を始めるべきです」
「それに宿泊所も函館山の近くがええかもしらん」
「函館山が夜景撮影に条件がいいのか、いつまで利用できるのかはよく調べないといけませんよ。船場さんは、長崎の稲佐山の展望台が暗くて撮影に向いていたと言われましたが、そんな暗いところが函館山の展望台にあるかどうか問題です。」
「それにロープウェイに乗らんとあかんから、終電いや終ロープウェイを確認せなあかんよ」
「下りの最終が午後10時ということなので、問題はないと思います」
「他の夜景スポットは行かへんのか」
「仮に午後9時30分まで撮影できるとしても、開始は日没後の午後7時頃でしょう。2時間腰を落ち着けて撮影するのがいいと思います」
「そやな、そうして午後10時30分までにはホテルに着いて素泊まりする。翌日はどうするんや」
「私は船場さんからだいたいどちらに行きたいか聞いています。まず押さえたいのは、青函トンネルをくぐって新幹線で帰阪すること、どこかでもう一泊することです」
「となると東北新幹線が止まる駅のホテルということになるなぁ」
「といっても、青森から仙台になるでしょうね。青森、八戸、盛岡、仙台のいずれかでしょうか」
「船場は、一ノ関のジャズ喫茶ベイシーにもういっぺん行きたいちゅーとったけど、ベイシーさんは今、休業されているみたいや。宮沢賢治のふるさと花巻はおもろそうやけど、もっと行きたいところがあるちゅーとった」
「八戸とかですか」
「魚介類が美味しそうやから、わしもいっぺん行ってみたい気がするけど、船場は盛岡にも興味があるようや」
「岩木山、北上川ですか。他に観光スポットがあるのかな」
「あとは冷麺くらいかも知らんけど、東北の代表的な街と言える。いっぺんは行っといた方がええんとちゃうかな」
「そしたら今までのを繋ぐとこんな感じかな。飛行機か新幹線で函館入り、函館朝市で昼食を取った後、市内観光、午後7時までには函館山へ。午後9時頃には撮影を終え、市内のどこかで夕飯を食べてホテルへ。2日目は早朝に出発して八戸で下りる。おいしい魚介類を食べたら盛岡へ。盛岡観光を堪能したら、仙台へ。一旦ホテルで荷物を置いてから仙台で牛タンの専門店に行くちゅー感じかな」
「そうですね。翌日は新幹線ですぐに帰阪するのがいいでしょう」