26年ぶり?の郡上八幡(2022年10月29日)

人それぞれ人生の中に暗い時期があって私の場合、35才から42才の頃が一番苦しかった頃です。その期間のある日に1日だけ自由になる日を見つけたので、ほっと一息つけるような場所をと考えて訪ねたのが郡上八幡でした。と言ってもそれほど遠くないところで一度も行ったことがないということで、なんとなく郡上八幡に行こうと決めたのでした。手持ちも余りなく出発直前に郡上八幡行きを決めたのでほとんど時刻表も見ないで最寄りの駅から午前6時30分発の名古屋(米原)方面行きの電車に乗ったのでした。電車の乗り継ぎが悪く、お昼過ぎに郡上八幡に到着してお城だけ見て帰ったという記憶が残っています。古い町並みや清流吉田川の水を生活用水にしている美しい町を少し歩いた気もするのですが、宗祇水とお城くらいしか記憶に残っていません。あ、もうひとつありました。郡上おどりのカセットテープを買って帰ったのでした。26年ぶり(多分、前回の訪問は1996年頃だったと思うのですが、うろ覚えです)にこの美しいお城がある町に出掛けたのは、慌ただしくタクシーで行き帰りして見ただけの郡上八幡城をじっくり見たかったということと、くつろいだ気分でゆっくり街歩きをしたかったからです。

摂津富田駅午前6時1分の京都行きの普通電車に乗り、京都、米原、大垣、岐阜、美濃太田で乗り換え、長良川鉄道の郡上八幡駅に着いたのは午前11時18分でした。駅構内にある観光センターで観光マップをもらい、まずはどうしても行きたかった吉田屋美濃錦を目指しました。ここは郡上八幡で有名なお店で、私はウナギ丼とアユの塩焼きを食しました。以前、他の観光地で鯉のフルコースやアマゴ、ヤマメの塩焼きを食べたことがあるのですが、ウナギの別格の味と頭から尻尾まで美味しいアユの味と比較するとわざわざチャレンジングなことをせずに黙って美味しいものを食すればストレスも溜まらないでいいと私は思っています。

    

お腹が一杯というほどは食べなかったのですが、腹ごしらえができたので郡上八幡城の天守閣を目指すことにしました。城下町プラザ近辺を歩いていると天守閣がちらちら見えて私は何枚か望遠レンズ(ライカ 沈胴式エルマー90ミリ)で写したのですが、2006年に設置された山内一豊と妻の像の背景に入れるのがベストではないかと思います。

    

像のある駐車場から天守閣までは、しばしば車が通る曲がりくねった坂道を登りました。20分ほどでようやく天守閣の入場券売り場に到着しましたが、お城を背景に記念撮影をするだけで満足する人が多くて天守閣の場内まで入る人は意外に少なく、ゆっくり写真を撮ることが出来ました。

    
    

お城の見学が終わった後は、郡上八幡のソウルフード?と言われる、鶏ちゃん焼きと醤油フランクを郡上八幡旧庁舎記念館で食べました。ここには明宝ハムのステーキ定食(1100円)と味噌煮込みうどん(1000円)もあり美味しそうだったのですが、食べ過ぎて歩けなくなると困るので我慢しました。土産物売り場で食品サンプルのキーホルダーやマグネット(たこぶつ、みたらし団子、イクラの軍艦巻き 郡上八幡は食品サンプルの街と言われさんぷる工房という施設もあります)を購入しましたが、吉田川にかかる新橋の近くの中古カメラ屋さんが目に入り、奥さんの促されるままに店内に入りました。しばらくして年配のご主人が出て来られ20分ばかりカメラの話をしていましたが、レンズばかりぎっしり詰められたウインドケースの中に、オリンパスOMシリーズ用のズームレンズがあるのに気付きました。私は今から47年前にオリンパスOM1を購入して、ライカを購入するまでの23年間は愛用者で、24、28、200、50マクロなどのズイコーレンズを購入したものでしたが、ズームレンズは高額で購入できませんでいました。ところがこの売値が15,000円だったので思わず購入してしまいました。(距離計は使えませんが、アダプターでMマウントのライカと繋げられるのでいろいろ試してみたいと思いました)そんな散策も午後5時頃になると人が少なくなり私も小腹が減って来たので、とりあえずみたらし団子を食べて電車に乗る前にラーメンを食べることにしました。どちらも新町通りにある店ですがさんぷる工房に行くのを我慢して、私は団子茶屋に入りました。炭火焼きの香ばしいみたらし団子は美味しかったですし、ホットコーヒーとの相性もばっちりでした。

  

散策をしている途中で郡上八幡は星が綺麗なので新橋あたりで星を見られてはと言われました。それで午後5時30分頃から新橋あたりを行ったり来たりしていたのですが、ふと橋の西側の中央あたりをみるとウエットスーツを着た男性が橋の欄干に立っていました。そばに知り合いもいるようなので問題ないのかなと思っていたところその男性は頭から吉田川へと落ちて行きました。バシャという音がしてから川面を見るとその男性は泳いでおられ無事だったことがわかりましたが、男性が飛び込んだところは水深がかなりあって高いところから飛び降りても問題ない飛び込みのスポットであることがわかりました。それからしばらくして私はカンミナというラーメン屋でとんこつラーメンを食べて駅へと向かいました。午後5時55分頃にはかなり暗くなって明るい星が5つほど見えていましたが、駅へと向かう頃には空が墨を流したように真っ黒けになり、街灯のない暗いところに行くと星だらけでした。わたしは両眼とも0.6くらいでしかも右目は乱視なので眼鏡がないと余り星が見えないのですが、それでも満天の星空を実感できました。そんな暗い夜道で道に迷いそうになりましたが、なんとか15分前に郡上八幡駅に行くことが出来ました。