プチ小説「宇宙人とクラシックの四方山話」
福居は来週の土曜日に発表会に出るので2ヶ月ぶりに馴染みの散髪屋に入ったところ、先週、京都府立植物園で四方山話をした宇宙人がいたので少なからず驚いた。宇宙人は鏡に映る福居を見ながら、片言で話掛けて来た。
「マッテマシタ、オヤカタ。イマハナシカケテイイデスカ」
「私は問題ないですが、散髪や洗髪や顔剃りの時に話すと散髪屋さんが困るんじゃないですか」
「ソウカ、ソレモソウヤナ。ホナ、ワシラノサンパツガオワッテカラ、ソトデハナシシヨカ」
「そうですね、そうしましょう」
1時間程して福居の散髪が終わると、宇宙人は芥川の堤防を歩きながら話をすることを提案し福居はそれを受諾した。
「アンタハ7、8ネンマエココヲヨウハシットッタンヤロ」
「そうですね、右の五十肩の痛みが酷くなったんですが、その頃に父親の病状が酷くなってリハビリに行く気にならず、放っておいたら上半身が重だるくなって動くことが辛くなったんです。でも会社があるから動かないわけにいかないし、どうしようかと熟考したのでした」
「ソウカ、コマッタトキニハジュッコウスルンガエエンヤネ。ソレモメモシトコ」
「それでとにかく全身を動かすのがいいと思い、ジャージとジョギングシューズを購入して辛いのを堪えながら、腕をぐるぐる回しながら飛び跳ねて芥川の堤防を走ることにしたのです」
「ホンデ、ドウナッタン」
「最初は硬直した身体が抵抗していたのですが、1ヶ月もすると凝りが取れて普通に走れるようになりました」
「ゴジュウカタハナオッタンカ」
「腕を上げるのもままならなかったのが、軽いジョギングも可能になり、その冬には高槻市のハーフマラソンの10キロコースにも出場しました」
「アンタハソレイガイニモイロンナイタミヲケイケンシテルンヤネ」
「わかりやすいのから言いますと内痔核が悪化して膿瘍になった時でしょうか。物を持つことができず、座ることもできませんでした。涙を流しながら、鞄を持ったり椅子に座ってました」
「ハアモイトナッタンヤロ」
「抜歯した後で抗生剤を飲まなかったら、顔が変形するほどの痛みが生じました。抗生剤を服用したらすぐに治りました」
「ナガネンツウフウニモナカサレタンヤテナ」
「最初は足の親指の付け根、次は足の裏、最後は42日間続いたのですが膝が倍くらいに腫れました」
「カゼヲコジラシテセキガトマランヨウニナッタリ」
「その時は温まって来ると咳が出たので一晩眠れませんでした」
「アレルギーセイケツマクエンデメガトジラレナクナッタリシタンヤロ」
「その時は眼球を摘出して洗面器で洗いたくなるほどの痒さで、この時は痛みはありませんでした。他にも咽頭炎を放置して悪化させて1週間点滴したとか、メリケン粉アレルギーで首が象の皮膚ようになり回らなくなったことがありました」
「トザンデクロウシタコトガアッタンヤロ」
「たまたま会社で表彰されてお金が入ったので登山靴を買ったところ、欠陥商品で親指が圧迫されて血流が悪くなり爪を抜かなければならなくなりました。外来手術だったのですが、皮膚科医がキシロカインを注射して爪を抜くところをじっと見ていました」
「ホカニハナイノン」
「これは医師に診てもらうまではいかなかったのですが、アキレス腱痛が1ヶ月ほど続いたことがありました。外痔核にもなったのですが、この時は座薬と軟膏だけで治りました。すべて一過性の症状だったのですが、長い時は痛みが1ヶ月半続いたこともあり、その時は辛かったです」
「アンタハイトアタマハイタマンカッタノ」
「頭痛はほとんどありませんが、空調の具合で気圧が変化すると頭に鈍痛が出ることがあります。胃痛があったので胃カメラをしましたが、軽い逆流性食道炎だったようです」
「ソンナイタミガツライトキヤアタマガイタイトキニキイタラエエオンガクハナインカナ。オンガクリョウホウトカイウヤンカ」
「そうかもしれませんが、その場合は早い目に外来受診して薬をもらって、家に帰って布団をかぶって静かに寝ているのが一番いいと思います」
「ソウカ、ソレモソウヤナ。ソレモメモシトコ」