プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 猛暑日の過ごし方編」

わしが幼少の頃は猛暑日や日本のどこかの市で40度を超えるということはなかったと記憶している。山形市の最高気温40.8度(1933年7月25日に記録)は70年以上破られへんかった(最高気温を更新したのは2007年8月16日岐阜県多治見市 現在の最高気温41.1度は浜松市(2020年8月17日)と熊谷市(2018年7月23日)で記録)。そやけど最近は、ある市で40度以上が記録されてもそんなに驚かんようになった(2023年7月31日現在 24の市が40.3度以上を記録している)。熱帯夜も同じで最近は最低気温が30度近いということもあるようや(2023年7月31日現在 12の市(東京23区も一度あり)で30度以上の最低気温を記録している)。35度以上やったら猛暑日、最低気温が25度以上やったら熱帯夜ちゅーねんけど、それ以上やったらなんて言うんやろか。最高が40度以上やったら酷暑日とか辛暑日が予想されるけど、最低が30度以上の場合は何ちゅーたらええんやろか。熱帯より暑いところはないから、それを強調する言葉を付けるんがええんとちゃうやろか。物凄い熱帯夜とかたまらん熱帯夜とか。多分、ネーミングした人がこれ以上の事態になることはないと考えたから、その上がない猛暑日、熱帯夜になったんやろけど、毎日のように最低気温が27度、最高気温が38度ということになるとこの先にそれ以上の酷い事態になることは予想でける。言葉はその必要性があったら生まれるもんやから、きっと近い将来、酷暑日や凄い熱帯夜という名詞が夏になったら毎日のように天気予報で連呼されるようになるかもしれん。わしらが幼少の頃は扇風機で夏は過ごせたもんやったのに、最近はエアコンがなかったら夏の暑い日は家におられん。そやから電気代節約のために公共施設や買物施設に行って電気代を節約する人が多い。お勤めしている人はその心配はいらんけど、わしのように働いとらん大人は猛暑が続く間はお昼どないしよかと頭を抱えとる。船場はわしと違って、一応エアコンが家に設置されとるけど、あいつ最近母校の図書館で本を読んだり文章を書いたりしとるから、電気代の心配はあんまりせんでええようや。それでもほとんど毎晩エアコンを使用するから電気代がかかってしょうないちゅーとった。あいつ、節約のために水風呂につかるとか、暑くなってきたらシャワーを浴びるとかしてエアコンをなるべく使わんようにすると言っとったけど、毎日何して過ごしとるんやろ。ちょっと呼んでみたろ。おーい、船場ーっ、おるかーっ。はいはい、猛暑日をどのようにしてやり過ごしているかということですね。実は、私は27才まで自宅にエアコンはなかったんです。18才まで住んでいた国鉄の木造官舎の時はどの家も扇風機で夏をやり過ごしてましたし、18才から26才まで住んでいた国鉄アパートは5階に住んでいたので風が吹き抜けてくれて夏でもエアコンなしで過ごせました。42才になってUR賃貸に一人住まいするようになって、3台のエアコンを設置しましたが、それまでエアコンについて細かいことを考えたことはありません。猛暑日がしばしば話題に上がるようになったのは、2007年に多治見市で最高気温が更新されてからだと思います。最近は週に2、3度一晩中エアコンを付けていますが、一晩中つけるようになったのは、数年前に熱中症になりかけた(大量の汗が頭から出て枕がびちゃびゃになって、その後頭がぼーっとなった)からですが、それまでエアコンは寝る前に必ず消していました。あんたの話を聞いてると昼も夜も年々暑さが増して来て、扇風機で凌げんようになった。それでエアコンを使うようになったけど、昼だけやなくて夜も使わずにはおられんということになって来ているちゅーことやな。そうです、それにここ数年で気温が著しく上がっていると感じます。今年は特に酷くて梅雨が明けた頃から熱帯夜と猛暑日(しかも37~38度の)が続いています。もう少ししたら高校野球が始まりますが、炎天下の元で長くいるのは大丈夫かなと思います。化石燃料での火力発電やガソリン車をやめない限りは気温の上昇傾向は止まらないと思いますが、他の発電、他の自動車の普及がそれほど進んでいないので改めるのは難しいと思います。このままの状態が続くと気温の上昇だけでなく、森林火災、海面水位上昇が酷くなって行き、将来の人から見て、ぼくたちの生きていた時代は多くの人が自分の快楽、心地よさ、楽しみを追い求めて後世にわずかしか残さなかったばかりか、地球に大きなダメージを与えた時代だったと言われることになりかねません。それに気付いている人が多いはずなのに何もせず、毎年だんだん環境が悪くなっているという感じです。そやけど船場が偉そうにそんなことを言うても、何も変わらんと思うよ。それにあんたも8月にいろいろやりたいことがあるんやろ。ええ、8月5日の淀川花火大会、8月8日の茨木弁天さん花火大会で花火の写真を撮るのと8月12日と19日に伊吹山星空観測に参加することですが、いずれもいい天気になればいいなと思っています。毎年行っている京都五山の送り火にも行きたいのですが、去年の鳥居形の撮影がうまく行かなかったので原点に戻って大文字を百万遍近辺で撮ろうと考えています。装備はどれとどれを持って行くんや。オリンパスのズームレンズをライカM9に繋げて撮りたいと思っていますが、そのためには大型三脚が必要です。自動露出でうまく行かなかったので、マニュアル撮影をやりたいんですがうまく行くかどうかわかりません。ほしの国には行かへんのか。そうですね、今年の天体観測は伊吹山で我慢します。ですが、12日か19日は快晴で固定撮影の星の写真が数枚撮れればいいなと願っています。船場の場合、夜ばかりのお金のかからんアクティビティやけど、今年の夏の酷い暑さと船場の酷い貧乏を考えるとしゃーないのかなと思うわ。