プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 日本列島は行きたいところだらけ編」

わしが幼少の頃は国鉄しか乗らんかったが、電車はみんな茶色やった気がする。阪急電車のような栗色(マールンカラーと呼ぶらしい)ではなくて、鉄が錆びた色やった。わしが中学生になる頃に東海道線の各駅停車が水色になって、環状線がオレンジ色になったんやった。わしは高校生になるまで国鉄の各駅停車にしか乗ったことがなくて、快速電車に乗ったのは高校生になってからやった。今では社名もJRに変わって新快速電車で滋賀県の北部まで行けるようになったし、全車両冷暖房完備になったけど、春や秋には半開きになった車窓の窓からそよ風が入るというのが心地よかったのになあと思うことがある。北陸新幹線が3月16日から敦賀まで延伸されて東京からのアクセスは良くなったけど、大阪から金沢に行こうとすると敦賀でサンダーバードから新幹線に乗り換えんとあかんから不便になったと言える。北陸新幹線かがやきの車両に乗れるのは心弾むことやけど運賃も上がったというから金沢がちょびっと遠なったという感じや。わしは一時金沢に通ってたことがあって、近江町市場、兼六園、香林坊周辺に行ったり、ひがし茶屋街をうろうろしたもんやった。鮮度の良い魚介類がウリやけど、寒ブリは富山、蟹は福井の方が知名度が高いから、金沢は甘エビやろか。船場も一時金沢蓄音器館に通うてSPレコードをようけ寄付したみたいやけど、あんまり有難がられないので行くのをやめたみたいや。だいたい蓄音器館にSPレコードを持って行ってもしゃあないというのがわからんかったみたいで、今から思うと2、3残しといたらよかったなと思うSP盤があるみたいや。それでも一つのところに通うのをやめたんで他に目を向けんとしゃあないと思うようになって小説を出版してみよかとなったんやから、あいつが方向転換できて良かったんやないかと思う。あいつも電車で遠くに出掛けるのが好きやからあちこち出掛けてるみたいや。出版した小説『こんにちは、ディケンズ先生』1、2が100近くの大学図書館に受け入れられたから、あいつ一時全国の図書館巡りをして楽しんどったけど『こんにちは、ディケンズ先生』改訂1、改訂2、3、4があまり大学図書館に受け入れられなくて、公立図書館にもあまり受け入れられてへんから全国の図書館巡りがでけんみたいや。まあ船場は仕事をやめたし図書館巡りをするためのお金がないから、丁度良かったんとちゃうのかな。図書館巡りはでけんし旅費の捻出もでけんみたいやけど、あちこち行きたいという欲望はあるみたいや。前に神戸と長崎の夜景を撮影してホームページに掲載したから、まずは夜景で有名な函館山、北九州市小倉(皿倉山)に行きたいみたいやが、夜景撮影や観光で他にどこに行きたいんやろ。訊いてみたろ。おーい、船場ーっ、おるかー。はいはい、にいさん、お金もないのにどこに行きたいねんということですね。まず夜景は写真の機材が大掛かりになりますからあと4つだけにしておきます。出来れば小樽天狗山、青森(むつ市)釜臥山、岡山鷲羽山、徳島眉山などにも行ってみたいですね。そしたら観光だけならもっとようけあるんやな。そうですね、でも北海道の広大なところを旅する余裕は残念ながらありません。やはり都市部ばかりになります。田舎でも鉄道の駅の近くに観光名所があれば行きたいと思っています。是非とも一度は行ってみたいところを北から言いますと、摩周湖、阿寒湖、支笏洞爺、旭川、弘前、松島、伊豆、新潟、糸魚川、富山、大山、浜田、日田、別府、国東半島、高千穂、奄美大島ですが、北海道は1ヶ月くらい滞在して、あちこち景色がいいところに行けたらいいなと思います。写真撮影が目的なんか。それと地方の特産品、名物を食べることですね。富山はここでしか食べられない海産物がたくさんあるようですから一度は行ってみたいです。以前、富山市内の中古レコード店に立ち寄った時に遠く立山が臨めました。その時カメラを持って行っていなかったので悔しい思いをしました。立山に登ったことはありますが、写真を撮ったことがないので富山市内から夕日で赤く染まった立山を撮影したいです。浜田に行きたいのも海産物目的ですが、海がきれいな整備された観光地というイメージですので市内を練り歩きたいです。そしたら取りあえず1泊で富山と浜田に行ったらええんとちゃう。そうですね、問題は一泊1万円以内の有名な観光ホテルがあるかどうかです。大雪山や富士山や阿蘇山の周辺も行ってみたいのですが、時間が掛かるので我慢します。取りあえず最大3泊くらいで先にあげたいくつかに行けたらいいなと思いますが、全部行こうとしたら100才になるかもしれません。それまで頑張るには、うさぎとびとリヤカーごっこを毎日せんとあかんよ。毎日腿上げ1時間、腹筋20分していますが、それだけでは足りないですかね。