今年も高槻ジャズストリートを楽しみました(これはプチ小説ではありません)
高槻ジャズストリートが初めて開催されたのは1999年で、コロナ禍で中断がありましたがそれから四半世紀が経過しています。そういう地元での大きなイベントなのですが、1986年に高槻市民となった私はクラシック音楽ファンでジャズはたまに聞く程度だったので5月3日と4日に高槻市内のあちこちで開催されるライヴがあってもその前を通り過ぎるだけでした。ガイドブックを手にしたこともありませんでした。ところが2019年に地元で富田ジャズストリートが開催されるようになると、今までの考えを改めて事前に配布されるガイドブックでミュージシャンの日程を調べるようになったのでした。のめり込むようになった一番の原因はおみやげ処笹井屋の2階でギタリストの松本広大さんと共演して阪井楊子さんがライヴされたからでした。阪井さんは狭いステージ?を動き回って歌唱されただけでなく、ピアニカも演奏されギター伴奏に乗って素晴らしい演奏をされました。松本広大さんもフットスイッチを使って一度録音した自分の演奏(コード)をバックで流しながら演奏するという今まで見たこともないような演奏をされました。阪井さんのライヴを見て私は<こんなハイレベルな演奏をするジャズミュージシャンが出演しているのか、もっと早く見に来たらよかった>と後悔しました。コロナ禍が終息して2022年に高槻ジャズストリートが再開されてからは富田だけでなく高槻の方も行くようになりました。特に高槻現代劇場のホールでのライヴは見ごたえがあります。また高槻市立第一中学校のグランドでのライヴは出店もたくさん出るので楽しく音楽を聞くことが出来ます。
今年も阪井楊子さんのステージを中心に見に行こうと5月3日の阪急高槻市駅前広場と5月4日の本照寺の本堂でのライヴに行くことにしました。ピアノ・トリオとボーカル2人の駅前広場でのライヴも楽しかったのですが、本照寺の本堂でのライヴはさらに素晴らしいものでした。松本広大さんのギターはいつものように繊細で素晴らしかったのですが、共演されたギターの住吉健太郎さん、ピアノの木場真由美さんもとてもよい演奏でした。阪井さんはいつものようにサービス精神旺盛で笑顔を絶やさず、パワフルなボーカルを楽しませていただきました。でも今年はさらに心に残るライヴがありました。駅前広場での阪井さんのライヴが終わった後、午後5時から高木里代子さんのピアノソロライヴがあり高槻市役所富田支所前の広場のステージに行きましたが、目から鱗が落ちるような凄いライヴでした。まず第一に印象深かったのは、ステージの上にはヤマハのグランドピアノ一台だけが置かれてそこにドレスを着た高木里代子さんが西陽を気にしながら演奏されたことです。ドレスを着た女性が野外でソロでジャズ演奏を見るのは初めてでした。しかも最初の2曲は演奏予定の曲(1曲はショパンのスケルツォ第1番をアレンジしたもの)でしたが、後は聴衆からのリクエストでした。「サマータイム」「いそしぎ」「ブルー・ボッサ」他の曲を楽譜なし予行演習なしで素晴らしい演奏をされたのでした。私は「ダニー・ボーイ」をリクエストしたかったのですが、前の女性が「ブルー・ボッサ」を素早くリクエストしたため我慢したのでした。それでもライブが終わりサイン会になった時に「The Piano Story」を購入してサインをしてもらい、次回のライヴで「ダニー・ボーイ」を演奏してくださいとリクエストできたのでかえって良かったのかなと思いました。
高槻ジャズストリートも富田ジャズストリートもいろんな会場でいろんな編成のアーティスト、楽団が演奏されます。現代劇場のホールで演奏するのが一番落ち着いてじっくりと演奏が聞けるのでしょうが、駅前広場や中学校のグランドやコミュニテイーセンターの特設ステージでの陽に当たりながらのライヴも楽しいです。またお寺の本堂は天井が高くて畳の上で脚を伸ばしてのんびり鑑賞できます。一度はバーや酒場でのライヴを聞いてみたいですが、お酒が入ると耳の機能が落ちるのでウーロン茶かノンアルコール飲料でねばろうと思います。今から来年の高槻ジャズストリートで阪井さんや高木さんの演奏が聞けるのを楽しみにしています。