プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 45」
福居は食パンを半斤買えばピザソースととろけるチーズがあるのでそれで昼食をすませることができると、阪急富田駅前のプティラプティにやって来た。
<いつもは母親との晩ごはんにと1500円から1800円買うのだが。今日は食パン半斤とあげあんパンだけだから、324円だった。安くあがったから、生活費の足しにしよう。それにしてもぼくは食についてはひどい生活をしているなぁ>
そう言いながら自宅へ向かう道を歩いていると、M29800星雲からやって来た宇宙人が松屋から出て来た。福居がしばらく宇宙人を見ていると、次はなか卯に入ろうとした。
「谷さん、こんにちは。今からお食事ですか。今、松屋で何かを食べたところなのに」
「ソウヤネン。ココハマツヤ、ナカウ、キョウザノオウショウ、トンカツノマツノヤガアルカラハシゴヲシテシマウネン」
「梯子って、何を食べるんですか。まつのやでトンカツ定食を食べたり、王将で中華飯と焼きそばを食べたらそれでお腹がいっぱいになるんじゃないんですか」
「ソレハアマイ。ヤッパリマツヤデウナドンヲタベルトモノタランカラナカウデカツドントカスキヤキドントカヲタベタクナルネン。ソレカラマツノヤデチキンミソカツヲタベタラナカウデキョウフウキツネウドンヲタベタクナルンヨ」
「そうですか。でもそのうち2軒ですまなくなるんじゃないですか。王将で大盛り焼きそば食べて、なか卯で大盛りレバニラ親子丼を食べて、まつのやでソースカツ丼を食べて、松屋でキムチ牛めしを食べるとかして4軒とも行くようになるんじゃないですか」
「イマノトコロソレハカンガエテヘンケド、アンタノスキナバスコダガマトカポムノキトカオコノミヤキノチボウトカガキタラ、7ケンモユメジャナイ」
「まあ、最近は外食の味付けが美味しいから、谷さんの気持ちもわからないでもないですが、身体が重たくなって飛べなくなるんじゃないかと心配になります」
「アンシンシテ、フードファイターニナルトキハエンバンニノッテクルカラ。カフクブガホテイサンミタイヤトカッコワルイシネ」
「それを聞いて安心しました」
「アンタハアンシンシタカモシレンケド、ワシ、アンタノコトデシンパイシテイルコトガアルネン」
「へえ、ぼくのことで心配事があるんですか。何でしょうか」
「アンタハ40サイノコロニセキチュウカンキョウサクショウニナッタケド、チョウジカンジテンシャデサカミチノボッテナオシヨッタ。ソレカラヨンジュウナカバカラゴジュウナカバマデハキントレトトザンデセイケイゲカニカカランデスンダ。デモトザンヲヤラヘンヨウニナッタラ、ゴジュウカタニナルハヨウツウガフッカツスルワ、コムラガエリニショッチュウナルワデ、シカモオナカハホテイサンヨビグンニナットル。コレカラノコトヲカンガエタラ、トザンヲサイカイシタラエエトオモウンヤガ」
「そうですね、筋トレだけでは以前のような筋肉に戻らないですね。でも槍穂高縦走は無理ですし、何か目標がないと」
「ソレニリニョウザイデトイレガチカクナッタカラネ。デモコウシュウトイレガカンビシテイルヤマモアルカラネ。ヒラニコダワランデモエエントチャウ」
「金剛山から大和葛城山に出るルートに久しぶりに行ってみようかな」
「トコロデキョウハナンノハナシシテクレルノン」
「クラシックの話ですね。それじゃあ、今日は違う顔(楽器編成)を持つ曲というのをご紹介します」
「シューベルトノアルペジョーネ・ソナタガチェロデエンソウサレルトカカナ。ソレカラモーツァルトノフルートキョウソウキョクダイ2バンハモトモトハオーボエキョウソウキョクナンヤロ」
「それからベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はピアノ版があると言うのもよく聞きます。ロマン派の小品を別の楽器で演奏するのはよくあります」
「メンデルスゾーンノゴガツノソヨカゼトカシューマンノトロイメライナンカヤネ」
「モーツァルトの弦楽五重奏曲第2番は管楽器8つ(オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン各2)で演奏されるセレナード第12番が編曲されたものです。またベートーヴェンの七重奏曲は後にピアノ三重奏曲に編曲されました」
「モーツァルトハゴジュウソウモハチジュウソウモエエキョクヤケド、ベートーヴェンノピアノサンジュウソウヘンキョクハイマイチヤネ」
「そうですね、ぼくも珍しいからとピアノ三重奏曲を買いましたが、管楽器があるのとないのとではえらい違うなと思ったものでした。他にモーツァルトのクラリネット、ヴィオラ、ピアノのための三重奏曲「ケーゲルシュタット・トリオ」のクラリネットのパートをギドン・クレーメルがヴァイオリンで弾いたレコードがありますが、とても楽しい演奏です」
「クレーメルハタッシャナヒトヤカラモーツァルトノクラリネットキョウソウキョクヲヴァイオリンドクソウデヤッテクレタラヨカッタンヤケド、ザンネンヤッタネ」