プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 今年の夏と秋は読書が充実していました編」

わしが幼少の頃はクリスマスちゅーたら12月の初めごろからクリスマスツリーを飾ってクリスマスイヴが来るのを待ったもんやった。クリスマスケーキは毎年家族5人で食べたけど、小学5年やったか一度鶏肉の丸焼きを食べて盛り上がったもんやった。北京ダックみたいな感じやったから、吹田チキンとか言うて売ってたんやろか。最近は高槻松坂屋地階のデリカテッセンでローストチキンをよう買うて食べるけど、近くのミニストップの鶏からも美味しいしなか卯の鶏からも絶品やそれに立命館大学近くの洋食店ハイライトの二色(デミグラスソースにチーズをのせたソースと大根おろし(これを白雪ソースと呼んでる)のソースがかけられとる)チキン定食もうまい。テレビで美味しい焼き鳥が食べられますよとPRしとるけど、わしの場合4つの店をぐるぐる回ってたら他の店に行かんでもええような気がする。そらお金があったら高級中華料理店で北京ダック食べたり、高級焼き鳥店で焼き鳥、ハツ、スナズリ、カワなんかをお腹いっぱい食べてみたい気がするけど、尿酸値7.0で過去に何回も痛風発作を起こしているわしとしてはここは貧乏を理由にしてじっと我慢する方が賢明やと思うんや。もちろん近所で安いチキンを食べてたら安全というわけやないから、回数は制限しとる。わしの場合ようけチキン食べたら関節がちくちくしてくるから、チキンの次の食事は豚か魚や。なんで牛肉食べへんのかちゅーたら、高いからやけどもう若ないから牛焼き肉でたらふくお肉を食べたいという欲望はなくなってしもうた。同じことがいえるのが、つまり年食うて敬遠するようになったのは、生魚のお刺身や。アニサキスも怖いしわしの場合醤油が大好きやからほどほどがええと思うとる。カツオのたたきも好きやけど最近は焼き魚がええ。鮭のはらみが一番やけどししゃもなんかの干物も大好きや。アジやカレイなんか食べられたらしあわせや。このあたりなら痛風は避けられると考えとるんやが、甘いやろか。わしのように20才の頃に腐ったみかん食べて2日間食中毒で苦しんだり、50才の頃に痛風の発作が43日続いたりせーへんかったら、何でも美味しいわちゅーて食べとったんやろけど食事をして苦しんだことがあったら我慢せんとアカン時は我慢するんとちゃうんかな。生活に支障を来たすことが起きそうやったら、やめとこということになると思うんや。食いもんもお酒も度を越したら、痛い目に遭うというのが何度も痛い目に遭うたわしからの教訓や。このことを船場に言うたろかと思うんやが、あいつおるんかな。ちょっと呼んでみたろ。おーい、船場ーっおるかーっ。はいはい、兄さん。私が暴飲暴食する恐れがあると言うんですか。そうやお前たまになか卯でイクラ丼食べたり、ローストチキンや唐揚げを2人前食べとるやろ。そんなことをしとったらいつか痛い目に遭うんやぞ。兄さん、私も痛風の辛さは身に染みてわかってます。それでも、やめられないのが鶏肉、フランス料理の濃厚ソース、タマゴ、日本酒、豚骨スープのラーメンです。これらは私の経験からすると続けて食べたり飲んだりしていると尿酸値がアップして発作が起きやすくなります。私のように高いところで止まってしまった人はだましだまししてこれらの美味しいものをたまに食べるしかありません。まあ、塩分、糖分、油もようけとったら身体にようないわな。そんなわけで暑い日も寒い日も夜はファストフード店で定食を食べて痛風発作が出ないように気を付けて来ました。そんなに自制してたら精神的にええことないんやないかと思うけどな。たまには贅沢したらどうなんや。たまになか卯で天然いくら丼の特盛(1520円)か豪快盛(1990円)を食べてみたいと思ったこともありますが、そういう時はそれよりちょっと高級な松屋の炙り十勝豚丼を食べて我慢しました。そうしてその食欲が満たされないという欲求不満を読書で発散しました。なんかこじつけみたいやが、どんな本を読んだんや。6月から今までに読んだ本を順番に上げますとまず『ガラス玉演戯』があげられます。これはヘッセがノーベル文学賞を受賞する契機となったと言われています。次はヘッセの『知と愛』ですが、この作品は30年程前に一度読んだことがあるのですがよく理解できなかったのでもう一度読み返してみたいと思ったのです。『夢遊の人々』はドイツの作家ヘルマン・ブロッホの作品ですが、『ウェルギリウスの死』が面白かったのでいつか読んでみたいと思っていました。大学図書館で文庫本を借りて読みました。『ハード・タイムズ』は以前からじっくり読みたいと思っていましたが、ディケンズ・フェロウシップに出席されていたこの小説を翻訳された先生にお願いして一冊譲っていただき堪能することができました。『緋文字』は大学図書館で借りて岩波文庫を読みましたが、後で購入した新潮文庫の翻訳がわかりにくかったので最初から岩波文庫にしておけば良かったかなと思いました。『レベッカ』『風と共に去りぬ』は映画が有名でいつか原作を読んでみたいと思っていました。本を読んだ後にどちらも映画も見ました。『赤と黒』は予備校時代に英語の先生から勧められて?いたのをようやく読みましたが、後半部分は緊迫感があって遅読の私も早く読めました。ホメロスの作品『オデュッセイア』と『イーリアス』を続けて読んだことは私の人生の大きな出来事と言えるでしょう。そうか、リッチな食事を食べんと読書に勤しんだのが船場の夏と秋ちゅーわけやな。そんで大きな実りがあったんやったら、貧乏で良かったと言えるやろ。そうですね、お金があったら旅行に行っていたと思いますし、読書に集中できなかったかもしれません。本当にこの夏と秋が貧乏だったことに感謝しています。ほたらこれからもずっと貧乏のままでええんとちゃう。うーん、それは困ります。