談山神社の十三重塔は意外と大きかったです(紀行文)
私が塔に関心を持つようになったのはやはり小学5年の時に見てその中にも2回入った大阪万博の太陽の塔の影響が大きいのだと思います。今開催されている万博は塔がないので少し物足りない気がします。それはさておき、太陽の塔を見て以来、高いものは東京タワー、東京スカイツリー、京都タワー、神戸ポートタワー、さっぽろテレビ塔、五稜郭タワー、通天閣に登り、神社やお寺では室生寺の五重塔、清水寺の三重塔、仁和寺の五重塔、東寺の五重塔、浄瑠璃寺の三重塔を近くで見ましたが、談山神社の十三重塔にはなかなか行けませんでした。今まで明日香村には二度行ったことがあり地図で見ると石舞台古墳から歩いて行けるような気がしたので私が明日香村の案内の人に尋ねると、歩くと3時間以上かかると言われその時は談山神社に行くのを諦めたのでした。となるとJRまたは近鉄桜井駅からバスで行くことになるのですが、近くに観光名所がなく(阿倍文殊院、聖林寺は談山神社から離れたところにあります)談山神社の十三重塔を見るためだけに電車とバスを乗り継いで行くというのはなかなか実行に移せませんでした。それでも昨日は天気が良かったので、昔から興味を持っているこの類を見ない、唯一無二の塔を見ようと重い腰を上げたのでした。実際、摂津富田から鶴橋までのJRの電車賃(490円)、鶴橋から桜井までの近鉄の電車賃(760円)、桜井駅前から談山神社までのバス賃(560円)の往復運賃は3620円ですから結構かかったのでした。
午前6時30分に自宅を出た私は午前8時40分に桜井駅に着きましたが、バスが来るのが午前9時45分だったので、観光センターで情報を収集しました。観光地図を求めたり情報を得るためにたくさんの観光客が観光センターに来られましたが、私は10分ばかり粘ってその合間を縫って受付の方から以下の情報を得ました。1.談山神社以外には安倍文殊院、聖林寺があり聖林寺は駅から2キロほど 2.聖林寺の十一面観音は国宝 3.明日香から談山神社の間でバスは走っていない この情報を元にして、バスが談山神社に着いたら1時間余りで写真を撮り、午前11時19分の桜井駅行きのバスに乗り聖林寺で下車する。2時間しないとバスが来ないので、聖林寺で十一面観音を見たら徒歩で桜井駅に向う。昼食後に余裕があれば電車で明日香にも行ってみるという計画を立てました。
この日はお昼を過ぎるとうっすらと雲がかかって晴天でなくなりましたが、午前中は雲ひとつない良い天気でした。談山神社の入口はバス停から少し離れたところにありギリギリまで撮影していた私は大急ぎでバス停まで戻ったのですが、それでも観光客が余りいなかったのでゆっくり思うように写真が撮られました。
境内に入って階段を20段ほど登ったところに樹齢何百年もの神木があり、その階段を登りきったところに楼門とその奥に本殿、東宝庫がありました。
左手にしばらく行くと十三重塔が見えてきました。私は受付の女性からホームページに掲載するなら、人は入れないようにと言われたため、十三重塔のところに長い間留まりました。というのも10分経っても私から向って左にいた男性がまったく動かれなかったからです。一所懸命写真を撮っておられるので中断するのは良くないと思って我慢しましたが、20分近くそこにいたのでその後ゆっくり撮影することが出来ませんでした。でも十三重塔の真ん前ではいい写真が撮れました。
十三重塔の正面からの撮影に時間を掛けたので、十三重塔と一緒に権殿と神廟拝所が画面に入る構図の写真を撮る時間がなくなってしまいました。望遠レンズや50ミリ沈胴式レンズでも写したかったのですが、時間がありませんでした。慌てて数枚写真を撮って、走ってバス停に向いました。土産物売り場に談山酒造の日本酒が並んでいたので買いたかったのですが断念しました。
聖林寺から桜井駅までの歩く時間が30分余りということをバスの運転手さんからも話を聞いて確認できたので、聖林寺に行くことにしました。小さなお寺ですが、安産のお寺でもあるので来訪者はそこそこあるようでした。十一面観音さんの写真は掲載できませんが、ガラスで囲まれていて一回りできるのでどちらからもお姿を拝観できます。小さなお顔が3つなくなっているので尋ねたところ、今は八面しか見られない、いつなくなったかはわからないとのことでした。聖林寺の山門を出て顔を上げると奈良らしい山並みが見えたので思わず写真を撮りました。
先に述べたように聖林寺から2.5キロ歩いて桜井駅に戻ったのは午後1時過ぎでした。それでお昼ごはんをどこかで食べたかったのですが、駅前でも食堂などがなかなか見つかりませんでした。それで駅の北側にある まほろばの里 卑弥呼でみたらし団子を気のすむまで食べることにしました。でも店内に入ってメニュー表を見るとにゅうめんと五平餅もありました。それで私はにゅうめんと五平餅とみたらし団子を注文しましたが、五平餅は売り切れたと言われたのでにゅうめんとみたらし団子3本を注文しました。商工会のおばさんたちがボランティアで接客していると言われていましたが、先頃社長さんが高齢で亡くなったため5月末で閉店されるとのことでした。そのうちの一人の女性は普段談山神社で事務の仕事をされていて、桜井市の観光のことも詳しいようでした。そのおばさんたちに、また見に来てねと言われて店を後にしましたが、時計を見ると午後1時30分になっていました。明日香にも行きたかったのですが、おばさんたちの話を聞いて店を出て、今日は桜井市を十分味わったのでもう帰ろかと思い、帰途に着いたのでした。