プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 72」
福居は最近焼き鳥が食べたくなると、JR摂津富田駅近くの焼き鳥のヒナタで焼き鳥ステーキとつくねとねぎまとウズラの卵を購入している。先客が2人いたのでその後ろに福居がつくとすぐにM29800星雲からやって来た宇宙人が福居に後ろに並んで声を掛けた。
「ココハナニガウマインヤ」
「ああ、谷さん、ここはすべて美味しいですよ。つくねはボリュームがありますしムネ肉もねぎまもスナズリも。でもぼくが一番好きなのはステーキかな。ごはんの上にそれを乗せて焼き鳥丼として販売していますが、ぼくはステーキに切れ目を入れて陶器に移しかえて温めてからグリコの〇EEをかけて食べたらおいしいと思うんですが、まだできないでいるんです」
「ソウカ、ソンナニアンタガイウンヤッタラ、ヤキトリドンヲ5ツツコウテカエルワ。ホンデ〇クレカレーヤ〇ンカレーデモタメシテミルワ。レバーヤカワヤハツモアルンヤッタラソレモカッテオコウカナ」
「焼き鳥がお好きなんですね」
「トイウカ、サイキンハコクナイサンケイニクモタカクナッタシ、ユニュウモンノブラジルヤタイノモタカイカラネ。シンセンナニクヲソコソコノネダンデタベラレルンヤッタラソレガファーストチョイスニナルントチャウン」
福居はM29800星雲からやって来た宇宙人がまともな話をしたので、返答に困った。ほんなアホナ―と突っ込みたかったのだ。
「やっぱりとれたて、捌いてすぐというのはおいしいですね。魚も鶏も牛も豚も馬も・・・」
「ソウヤネン、カエルモスズメモバッタモイナゴモコオロギモハチノコモアオダイショウモ」
「青大将は乾燥して焼きめしに入れるのですか」
「イヤ、カバヤキガイガイトウマインヨ」
福居はM29800星雲からやって来た宇宙人が食通なのに驚いた。
「デモウナギヤナマズニクラベタライマイチカナ。サイキンハウナギモガイコクサンガハイッテキテヤスクナッテイルケド、ヤッパリコクサンノテンネンモノガエエネ。アルテイドオイシカッタラタベルケド。モノガナイノガイチバンコマルネ」
福居はM29800星雲からやって来た宇宙人の話が普通の話なので退屈して来た。
「谷さんは最近は世間話をするのが好きになったのですか」
「ワシハコウミエテモ、ミヤヅカエヲスルミヤカラネ。アンマリカゲキナハナシハゴハットナンヨ」
福居はバッタやイナゴやコオロギは佃煮にしないと食べられないでしょうと返したかったが我慢した。
「トコロデキョウモクラシックノハナシヲシテクレヘンノカ」
「いいですよ。ところでクラシック音楽で驚愕する楽曲にはどんなのがありますか」
「ヤッパリ、ハイドンノコウキョウキョクダイ94バンノキョウガクトチャイコフスキーノジョキョク1812ネンカナ」
「実は私はマーラーの交響曲第6番「悲劇的」の最後のところでビックリするので、どうしても聞けないのです」
「ソンナニビックリスルネンヤッタラ、ミミセンヲシタラエエントチャウ」
福居はM29800星雲からやって来た宇宙人が笑える話をしたので、安心して家路につくことにした。