「「神田川」で歌詞を味わうことを知りました(これはプチ小説ではありません)」
本日(2025年7月13日)のNHKラジオ深夜便4時台の放送に南こうせつさんが出演されていました。南こうせつさんが歌われた曲、作詞作曲された曲にはいっぱい思い出があるので、ファンになって50年以上になる今(私は現在66才です)その思い出と私が好きな曲についてまとめておくとこれから南こうせつさんの歌を聞いてみたいと思う方の参考になるかと思い、書いてみることにしました。
「神田川」がシングル盤の発売は1973年9月なので、私が中学2年生の頃でした。当時は勉強にもスポーツにもうち込めず、ラジオの深夜放送を聞いたりマンガを読んだりして日々を過ごしていました。ラジオはお昼や夕方のラジオも聞いていましたが、その年の年末のある番組で外国人のタレント(ウィルフ・ウィックリーさんだったと思います)が最近気に入っている曲があるとリクエストしたのが「神田川」だったのです。もちろん私も一度聞いてヴァイオリンの調べが素晴らしいと思い、もう一度聴いてみたいと思いました。そしてじっくり聞くと歌詞もノスタルジックでなんとなく東京に憧れを抱かせました。私と同じことを思った人がたくさんいたのでしょう。あっという間に「神田川」がヒットして、かぐや姫は「赤ちょうちん」(1974年1月発売)「妹」(1974年5月発売)で人気フォークグループとなりました。「妹」が流行っている頃は受験勉強で好きなラジオも断っていた時期なので、たまたまラジオから流れたかぐや姫の曲に耳を傾けるくらいでした。そうして3月に無事公立高校(「神田川」を作詞された喜多条忠さんと同じ府立高校です)に入学することが出来てしばらくして三重県に住むかぐや姫ファンの友人から、かぐや姫のLPレコードを是非聞いてと「かぐや姫LIVE」を貸してもらったのでした。どの曲も素晴らしく、合間に話される南こうせつさんのお人柄も好ましく、何度も聞いて自分も「かぐや姫」のレコードがほしいと思ったのでした。選んだのは発売されて間もない「かぐや姫フォーエバー」でしたが、同時に「かぐや姫」が解散することを知りライヴに一度行きたいと思っていた私はとても悲しい気持ちになったことを覚えています。それでも「風」の「22才の別れ」のシングル盤が発売されていましたし「風ファーストアルバム」が5月に発売されることになっていました。南こうせつさんもソロ活動を始めることになっていました。山田パンダさんも6月に発売された「風の街」がヒットしましたので、これからは3人の活動を見て行こうと思ったのでした。ゴールデンウィークと夏休みを「かぐや姫フォーエバー」を聞くことに費やした私はほとんどの歌詞を味わい尽くして下手ながら口ずさめるようになりました。そうして次のレコードがほしくなりました。既に「風」のファーストアルバムは弟が購入していて、ときたま聞いていたのですが、「かぐや姫」の別のレコードがほしいと思ったのでした。今のようにネットでアルバム収録曲を調べるわけにいかないので、何度も近くのレコード屋さんに足を運んで「かぐや姫さあど」の曲はほとんど「フォーエバー」に収録されている曲であることがわかり、「かぐや姫おんすてーじ こうせつ・パンダ・正やん」か「三階建の詩」のどちらにしようかと迷いましたが、南こうせつさんの話が聞けるということで「おんすてーじ」にしました。「三階建の詩」は大学に入ってから購入しました。大学時代に親しくしていたかぐや姫ファンの人は「おんすてーじ」は宴会みたいで好きになれないと言っていましたが、私はステージの楽しい雰囲気が満ち溢れていて演奏される曲もいい曲ばかりなので今でも大好きで時々聞きます。一方、「三階建の詩」抒情性豊かな曲ばかりでオリジナルアルバムの中では一番良いアルバムだと思います。なお、「さあど」は先程の理由で今でも購入していませんが、「はじめまして」はなぜか買う気が起こらず今に至っています。ごめんなさい。
私が購入したアルバムの曲について説明したいのですが、歌詞を直接載せることができないので、このアルバムのこういうところに惹かれるということだけを記します。
おんすてーじ こうせつ・パンダ・正やん
南こうせつさんのお話が楽しく歌唱も魅力的です。パンダさんも正やんも1曲だけ歌っています。私にはこのアルバムのすべての曲が魅力的ですが、ひとつ選ぶなら「おもかげ色の空」です。
三階建の詩
「フォーエバー」に収録されてない「人生は流行ステップ」「南風知らん顔」「雨に消えたほほえみ」「おまえのサンダル」「この季節が変われば」が魅力的な曲なので、この5曲を楽しむために買う価値は十分あります。
かぐや姫LIVE
「僕の胸でおやすみ」「ペテン師」「加茂の流れに」に惹かれますが、「妹」「海」「星降る夜」「置手紙」「眼をとじて」「あの人の手紙」「神田川」はさらに盛り上がるので何度も聞きたくなるアルバムです。
かぐや姫フォーエバー
ベストアルバムなので重複を承知でこのアルバムを聞き始めた時に惹かれた曲を列挙します。
「この秋に」「ひとりきり」「赤ちょうちん」「マキシーのために」「あてもないけど」「眼をとじて」「けれど生きている」
「神田川」「雪が降る日に」「おもかげ色の空」「こもれ陽」「今はちがう季節」「突然さよなら」「22才の別れ」
「あの人の手紙」「アビーロードの街」「なごり雪」「黄色い船」「妹」「好きだった人」
(特に「この秋に」「眼をとじて」「おもかげ色の空」「今はちがう季節」「あの人の手紙」「好きだった人」は新録音なので、他のアルバムを持っている人も聞く価値は十分あると思います)
私は関西在住なので、高校一年の暮れからは近畿放送(現KBS京都)でナターシャセブンのズバリクを聞くようになり「かぐや姫」の曲をあまり聞かなくなります(その後はクラシック、ジャズ、イージーリスニングなど幅広く聞くようになります)が、「神田川」がラジオで流れると日本の抒情フォークに魅せられて聞き入っていた頃のことを懐かしく思い出します。そうして「かぐや姫」のアルバムが聞きたくなります。このことはこれから先も同じだと思います。南こうせつさんには私も頑張ろうという気になるので、これからも頑張って下さいとお願いしたいです。
追記 南こうせつさんのセカンド・アルバム「ねがい」の「さよならの街」「私の詩」「ねがい」も私の愛聴曲です。