プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 83」

福居は筋トレをしても一向に体重が減らないのは昼食でまつのやでとんかつ、びふかつ、とりかつを時にダブルで食べたりまたコロッケ無料券を利用したり、なか卯でカツ丼の大盛りやからあげ丼のごはん大盛りを頼んだり、松屋でダブル定食を頼むことが原因であると思い当たった。それで9月になってからはそれらは頼まず、他の店でもなるべくカツ類や油をたっぷり使った料理を避けることにした。また家でも焼きそば、焼うどんをなるべく食べないようにして、ウルメイワシをコンロで焼いたものとそば、うどん、そうめんを食べるようにした。するとどうしても夕方になるとお腹が空いて来て、チョコレートや〇ん六のピーナツ菓子を食べたくなってしまう。冷蔵庫を見ると間食が切れていたので近くのコンビニに買いに行くことにした。近くにあるミニ〇トップに入るとM29800星雲からやって来た宇宙人が栄養補助食品の棚の前で悩んでいた。宇宙人の側に置いてあるかごを見ると、栄養補助食品がてんこ盛りになっていた。
「谷さん、今日は栄養補助食品を買いに来られたのですか」
「ソウヤネン、ワシチョコブ〇ウニーガスキヤネンケド、キョウハウリキレトッタンヤ。ソヤカラネ、ソ〇ジョイトカクリーム〇ンマイブラントカイッポンマン〇クバートカカオウトオモットルノヨ」
「そうですね。空腹を満たしたい時には健康補助食品は役に立ちますね。ところで谷さんはどのくらい食べられるのですか」
「ヤッパリ、1コヤ2コデハミタサレヘンネ。10コクライカナ」
「それだったら、焼うどんとかスパゲッティを一皿食べた方が安上がりだと思うんですけど」
福居がふと外を見ると突然雨が降り出した。すぐに豪雨になったのでしばらくは帰られそうになかった。
「谷さんは宇宙船を店に横付けすれば帰られるのでしょうが、ぼくは傘を持って来ていないし止むのを待つしかありません」
「ソンナコトナイネンヨ、ワシラウチュウセンヲクルマガワリニツカットッタラメダッテショウナイカラネ」
「どこかに隠しておかれるんですか」
「クモガミッシュウシテイルトコロガイチバンアンゼンカナ。ホバークラフトクライノオオキサヤカラ、ツキギメチュウシャジョウヤエキマエチュウシャジョウヤトチョットトメルノハムリカナア」
「そうして用事が終わったら、迎えに来てもらうのですね。家まで送ってもらおうと思ったけど諦めます。でもいつか乗せてほしいなぁ」
「ソウナンヤ。アンタモウチュウカラチキュウヲミタインカナ」
「ぼくは自分で赤道儀付き望遠鏡を買って半年ほど天体観測をしていたことがあるのです。仕事が忙しくなってそんな余裕がなくなり諦めましたが、普通の人より天体の知識はあると思います。宇宙に行って月と惑星を見たら、星雲や星団は肉眼でどのように見えるのか知りたいです」
「マア、キガムイタラアンタヲツレテイッテアゲテモイイケレド、シンピテキナウチュウヲノゾキミシタラヤミツキニナルカモシランヨ」
「そうですね、一回限りがいいですよね」
「トコロデ、ワシサイキンコテンハノオンガクヲキイテイタンヤケド、ショクショウギミナンヨ。ワショクバカリヲタベテイタラ、カレーガオイシイトカンジルヨウニイマキイタラシンセンニキコエルオンガクハナイヤロカ」
「そうですね、以前紹介したことがあるのが、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語り」とストラヴィンスキーの「春の祭典」ですが、他にいくつかあげてみましょう。「春の祭典」はバレエ音楽で、他にも気分転換にいいのがあります。これは昨日たまたま聞いて良かったので、谷さんにお勧めしようと思うのです。カラヤン指揮ベルリン・フィルのドリーブの「コッペリア」とショパン(ダグラス編曲)「レ・シルフィード」です。どちらも華麗で美しいバレエ音楽という感じです」
「チャイコフスキーヤプロコフィエフヤラヴェルハアカンノン」
「好き嫌いを言ってはいけないのですが、私はプロコフィエフの音楽は好きになれません。チャイコフスキーの「くるみ割り人形」は好きですが」
「ダフニスノダイ2クミキョクワシダイスキヤネン」
「あえて他のバレエ音楽を言いますとファリャの「三角帽子」でしょうか。これはアンセルメ盤に限ります。たまに出して聞くと新鮮で生気が蘇るという感じがします。あとはショパンの2曲がいいですね。バラード第1番(コルトー)とアンダンテスピアナートと華麗な大ポロネーズ(グルダ)ですね。この2曲が聞ける映画「戦場のピアニスト」はクラシックファンにとって一見の価値がある映画だと思います」
「ワシモミテミルワ」