プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 86」
福居は豆腐料理が好きで、特に湯豆腐と麻婆豆腐は大好物だった。湯豆腐は絹ごし豆腐に●んだしを入れて煮たものを七味醬油に付けて食べるのだが、青ネギを入れた方がずっと美味しいので面倒だがいつもネギを刻んで入れていた。麻婆豆腐は●美屋の麻婆豆腐の素中辛に絹ごし豆腐と青ネギを入れて煮込んでいた。最近はキムチを少量入れるようにしている。ただ絹ごし豆腐や木綿豆腐を煮込まずにそのまま食べることはあまりしたことがなかった。それでも最近京都上七軒バス停近くにある豆腐店とようけ屋やまもとの豆腐は美味しいと知り食べたくなった。立命館大学から歩いて40分ほどなので、福居は少し早い目に大学図書館を出てとようけ屋に向った。木綿豆腐、絹ごし豆腐の他に柚子豆腐、胡麻豆腐、青じそ豆腐もあり、揚げもいろいろあり、湯葉、生麩も美味しそうだったが、1,200円の手持ちしかなかったので、にがり絹ごし豆腐、ソフト豆腐、つまみ湯葉、豆腐のたれだけを購入した。近くに●ーソンがあったので小用を済ませ健康補助食品の棚を見ているとM29800星雲からやってきた宇宙人が福居に声を掛けた。
「ソノモチゲンマイマンプクバーヤキオニギリフウミトイウノハオイシソウヤネ」
「最近、売り出されたのでしょうか。ぼくは始めて見ます。家に帰ってネット検索して調べようと思います」
「トコロデ、サッキトウフヤサンデナニカコウテタヨウヤガ、ナニカッタン」
「豆腐と湯葉とだし醬油です。美味しい京豆腐を食べたかったんです。とようけ屋さんは以前から覗いてみたかった(52番のバスはお店の前を通ります)のですが、大学から40分かかるので、なかなか行けなかったんです。ようやく秋になって3キロ歩くのも苦にならなくなりました」
「ホンマニコトシノナツハサツジンテキナアツサヤッタネ。デモアキハミジカクテフユハサムイヨウヤネ」
「寒くなると湯豆腐や麻婆豆腐が美味しいですね」
「ワシハソレヨリスキヤキノホウガエエネ。トウフモエエケド、ワシヒヤヤッコヨリアツアゲニ●ジノモトトショウユヲカケテタベルノガスキヤネン。トヨウケヤサンノトウフノタレガウマソウヤカラソレニカケテタベヨウカナ」
「おでんもいけますね」
「デンガクハモットウマイ。ユズミソモアカミソモクロミソモシロミソモ」
「一時、揚げだし豆腐とおからと豆腐チャンプルーに凝ったことがありました」
「スーパーデカウダケヤロ。トコロデアキノヨナガニキモチヨクキケルクラシックノキョクヲオシエテクレヘン」
「ピアノ小曲集というのはどうでしょう」
「ショパントカシューマントカカナ」
「それもいいですが、もっといいのがあります。まずはメンデルスゾーンの無言歌集で演奏はワルター・ギーゼキングです」
「ギーゼキングハモーツァルトモエエネ」
「次はエミール・ギレリスが演奏するグリーグの叙情小曲集です」
「ギレリスハベートーヴェンガエエネ」
最後は小曲集ではありませんが、ドビュッシーの前奏曲集第1巻で演奏はアルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリです」
「アンタ、フランス・クリダノリストモスキナンヤロ」
「パガニーニの曲ばかりを集めたアナログ盤を持っていますが、CDでは聞けないようです」