プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 88」

福居はカレーを2ケ月に一度ほど自分で作るが、近くの平和堂で具材を買っているとM29800星雲からやって来た宇宙人が福居に声を掛けた。
「アンタハオカアサンガルスノトキニカレーヲツクルケド、イマニュウインサレテイルカラマタツクルンヤロネ」
「ええ、2泊3日のショートステイで施設のお世話になる時もよく作ります。安上がりですからね」
「グザイハナニヲツカウノン」
「肉は以前牛肉だったのですが、最近は豚肉で安上がりにしています。野菜はいつもニンジン、ジャガイモ、タマネギですね。それから●ギーブイヨンを入れると少し美味しくなります」
「アンタハムカシサバカントカギョカイルイヲツカッタカレーモツクッテタヤロ」
「そうですね、魚介類の旨味がカレールーに溶け込んで美味しくなりますね」
「ナンデヤメタン」
「機会があればまた作りたいですが2つの問題があります」
「ソレハナンナン」
「一つは鯖缶だけでも美味しいのですが、どうしてもイカ、エビ、ホタテなどの具材も一緒に入れたくなります。そうすると高くつくのです」
「モウイッコハナンヤ」
「もう一つはうまみが2日もすると消失するというか、美味しかったカレーの味がなくなるのです。これはぼくがそう思うだけかもしれませんが」
「カレールーハナニヲツカウンヤ」
「ジャワカレー、ゴールデンカレー、フォンドボー・ディナーカレー、ザ・カリーの辛口、中辛を適当に組み合わせています。カレーを作ると3日間は食事がほとんどカレーなのでしばらくは食べたくなくなります」
「サンショクカレーバッカリトイウノモアリヤロ」
「ええ、もちろん、でも大抵朝食はインスタントラーメンですから、リセットされます。その後昼、夜カレーでも大丈夫です」
「インスタントハドウナン」
「リーの10×が多いですが、地元のカレー屋さんヴァスコ・ダ・ガマのレトルトもよく食べます。500円以上だと美味しいのがあるのかもしれませんが、カレー1食のために大金を叩く気はしません」
「マアアンタハユウフクトチャウカラシャアナイネ。ホンデコトシタカヤマニイクノヲアキラメタンヤロ」
「古い町並、飛騨の里、スカイパークで写真を撮りたかったのですが、母親が入院していますので今年は見送ることにしました」
「マア、ライネンハイケルヤロ。トコロデキョウハモーツァルトノシジュウソウキョクノエエノンヲオシエテ」
「モーツァルトの弦楽四重奏曲で有名なのは第21番の「プロシア王第1番」ではないでしょうか。プロシア王は第3番までありますがいずれも魅力的な旋律がたくさんあり楽しめるんじゃないでしょうか。他には第15番、第17番「狩」、第19番「不協和音」が有名ですが、私は第14番の「春」とも呼ばれる弦楽四重奏曲が一番好きです。これら第14番以降第23番までの弦楽四重奏曲を楽しむことになると思います。
「エンソウカハダレノガエエノン」
「第15番と第19番がカップリングされたウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の名盤をまず聞くべきでしょう。次に第21番から第23番のアルバン・ベルク四重奏団の演奏でしょう。それから第14番「春」をアルバン・ベルク四重奏団で聞けばいいと思います。ピアノや管楽器が入っていない地味な演奏ですから、普通なら飽きが来るのですが、これらの演奏は旋律が美しくそれを上手に聞かせるので飽きさせません。機会があれば、第16番、第18番、第20番なども聞いてみたいのですが、なかなかそうも行きません。第17番「狩」も聞いたかどうか怪しいです。レコードもCDも持っていませんから」
「ワシハアキノヨナガモーツァルトノゲンガクジジュウソウキョクヲジックリキクノモエエトオモウケドナア」
「おっしゃる通りだと思います。私も先にあげたウィーン・コンツェルトハウス四重奏団とアルバン・ベルク四重奏団のレコードをじっくり聞くことにします」