浄瑠璃寺の阿弥陀堂には和やかな雰囲気があります(紀行文)
2年前に訪れた浄瑠璃寺にもう一度行きたくなって再訪しました。再訪したくなった理由は3つありました。1.前回は阿弥陀仏一体が東京国立博物館に貸し出されていて、九体揃われていなかった。2.前回訪れた時は体調が最悪だったので、体調がいい時にゆっくり庭園内を散策したかった。3.前回は愛用のライカM9が修理中だったので、きれいな紅葉がM9で撮影できるかもしれないと思ったというのがその理由ですが、阿弥陀堂に安置されている九体の阿弥陀仏、吉祥天女像、不動明王像などは撮影できませんので、今回も写真は三重塔、阿弥陀堂、ノコンギクしか撮影できませんでした。それでも庭園をゆっくり散歩して九体阿弥陀仏のお顔ををじっくり見させていただき楽しい一日となりました。
前回は奈良の向こうにあるお寺という認識だったので最寄りの駅の摂津富田から大阪方面行きの電車に乗り、新大阪で乗り換えて久宝寺まで行き大和路快速に乗り換えたのですが、今回、大阪行きの電車に乗っている最中に時刻表でアクセス方法を見ていると京都経由で木津までいき大和路快速に乗り換え一駅ということを知りました。しかし電車は茨木と千里丘の間を走っていたので大阪駅まで行って大和路快速に乗ることにしました。1時間ほどで加茂駅に着き、そこから20分ほどバスに乗り浄瑠璃寺に着きました。バスが来るのを待つ間に駅周辺を歩いたのですが、浄瑠璃寺の特別公開のポスターが貼られていて、九体阿弥陀如来中尊像の光背のところを拡大した写真でした。そこには小さな仏様(千体の阿弥陀仏の化仏)と天女様(四体の飛天)を配した仏様の一部が写されてました。前回拝観した時にそのことには気付かなかったので、中尊像(九体の仏様の真ん中の大きな仏様)をじっくり見させていただこうと思いました。その前に三重塔を見ました。紅葉がきれいだったら三重塔も映えたのかもしれませんが、猛暑の影響か色づきが今一つでした。それでもススキがいい感じでなかなかいい写真が撮れました。

庭園の散策は時計回りだと最初三重塔に行きその後に阿弥陀堂に出るのですが、丁度池をはさんで三重塔と阿弥陀堂があり三重塔の真ん前では写真を撮らずに阿弥陀堂の前から三重塔の写真を撮りました。阿弥陀堂の前にノコンギクがたくさん咲いていたので、思わず写真を撮りました。

そうしていよいよ阿弥陀堂の中へと入りましたが、前回と違って阿弥陀仏が九体揃われていたので壮観でした。九体はそれぞれ別の仏師が制作されたということで仏教美術があまりわからない私でも表情が違っていることがわかりました。駅にあったポスターで中尊像をじっくり見たのですが、阿弥陀堂の中が少し暗くて光背にあまり近付けないため化仏や天女の細かいところは見えませんでした(これは私の加齢による老眼のせいだと思います)。前回、来た時と同様に不動明王像、御開帳中の吉祥天女像を拝観することもできました。阿弥陀堂の中の仏様を見させていただいた後で最後に阿弥陀堂の写真を撮ることにしました。

制服を着た女子学生がたまたまいたので、シャッターを切りました。それでも平日だからか観光客はあまりいませんでした。平安時代に創建され1000年近くの歴史があるお寺ですが、奈良市内から遠くしかも山の中だからだと思います。でも阿弥陀堂の中に入れば九体阿弥陀仏が安置されていて、厳かな雰囲気があり普段では体験できないことが体験できます。その雰囲気を少し感じるためだけでも充分に浄瑠璃寺を訪れる価値があると私は思います。