プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 95」

福居は母親が体調を崩して老健施設に入所中のため、一月一日は実家で近くに住んでいる親戚と新年の祝いをするのを取り止めた。おせち料理を食べてお酒を少し飲んで芸能人格付けを見るのだが、今年はそれを取り止めておせち料理もお雑煮も取りやめた。ただお世話になっているお寺から「開運お屠蘇」が送られてきたのでお屠蘇はいただくことにした。さらに節約するために大晦日の夕食はカレーにして3日の夜まで夕食はカレーを食べることにした。毎年食べている年越しそばはネギを刻んでおんちの和そばをヤマサのだしで食べた(かけそば)。十年ほど前までは大晦日の夜から元日の朝に京都の五社(北野天満宮、上賀茂神社、下鴨神社、平安神宮、八坂神社)を巡っていたのだが、最近は行っていない。それで今年は元日の午前7時に自宅を出て、近くの神社にお参りしてからホリーズカフェ錦烏丸店に行くことにした。午前8時過ぎに錦烏丸店に着いたが、元日は午前9時からの営業とのことで、まだ開いていなかった。正月はファストフード店くらいしか開いていないのでどうして1時間をつぶそうと考えて牛丼で1時間ねばることも頭に浮かんだが、以前一度行ったことがあるカフェ・ベローチェに行ってみることにした。烏丸通りの東側の歩道を四条から下っているとカフェ・ベローチェ烏丸仏光寺店の手前にホリーズカフェ四条烏丸店があり午前8時から営業していたので福居はそこに入った。一番奥に二人掛けと四人掛けのテーブルがあったので、福居は二人掛けのテーブルにパソコンを置いて創作を始めた。そこに2時間30分いた後、松屋で朝セットを食べた。その後ホリーズカフェ錦烏丸店に行ったが、福居が錦小路に対面している席の一番奥に座ろうとしたところ、手前に座っていたM29800星雲からやって来た宇宙人が福居に声を掛けた。
「シンネンオメデトウ。キュウネンチュウハオセワニナリマシタ」
「こちらこそ、今年もよろしくお願いします。初詣は行かれたのですか」
「ワシハコンザツハニガテヤシ、ガンカケシナクテモナンデモデキルカラネ」
「縁日だから夜店もたくさんでていますし。最近は韓国だけでなく中東の料理の店も見掛けますよ」
「イーヤ、ワシハムカシヨウアッタカントウダキノミセガスキヤッテン。コンニャク、チクワ、アツアゲ、タマゴ、ダイコン、ゴボテンナンデモオイシカッタナア」
「お好み焼き、たこ焼き、焼きそばもおいしいですね」
「ワシハカントウダキイガイハワタガシトリンゴアメクライカナア」
「水あめもありますね」
「ウン、ワシモソレスキヤネン。ミズガハイッタスイソウノフチカラジュウエンダマオトシテコップニハイッタラミズアメヲ2バイモラエルトイウヤツヤロ。デモサイキンハゼンゼンミイヒンネ」
「水あめは10円ですし関東煮も30円か50円くらいだったと思います。最近はお好み焼きも焼きそばも500円以上するのではないでしょうか」
「トコロデ、オショウガツヤカラモーツァルトノアカルイピアノキョクガキキタイネンケド、エエノアル」
「やはり有名なピアノ・ソナタ第15番(K545)が一番でしょう。その次は最後の楽章が華々しい第11番(トルコ行進曲付き)でしょう。ピアノ協奏曲では第27番が天国的な調べと言われますが、一番演奏される機会が多い第21番の方がより完成された楽曲だと思います。他にピアノ四重奏曲第1番と第2番、ピアノと管楽器のための五重奏曲なんかも楽しめると思います」
「ピアノトカンガッキノタメノゴジュウソウキョクノカンガッキハナンナン」
「クラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルンです。モーツァルトの室内楽でピアノとクラリネットが活躍する曲としては、ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲(ケーゲルシュタット・トリオがありますが、これが一番いいかもしれません」
「アンタガスキナヤッチャナ。ワシモソノキョクスキヤデ」
「ありがとうございます。私は最近、ザビーネ・マイヤー他のCDを購入しました。いろいろな演奏を聞くのも楽しいですよ」
「ソウヤネ」