プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 チェロも管楽器もオーケストラと協調する編」
わしは小学生高学年になるまでは楽器は、ピアノ、木琴、オルガン、ハーモニカ、縦笛くらいしか知らんかった。クラリネットという楽器を知ったのは、5年生の時にコミックソングのような「クラリネットをこわしちゃった」を聞いたからやった。ドとレとミの音だけが出ーへんだけやと思っていたのに、ドからシまで全部出ーへんとわかってお父ちゃんに怒られる、どないしよという歌やが、元々はフランス語の「クラリネットの音が出なくなった」という内容の歌に、わしが生まれた頃に日本語の歌詞が付けられたみたいや。そやから内容が各国でいろんな訳詞がついとるみたいで、クラリネットがギターに置き換えられている国もあるようや。チェロを知ったのは中学生の頃にサン=サーンスの「動物の謝肉祭」の「白鳥」を聞いたからやった。その美しいメロディと楽器の音色にうっとりしたもんやった。同じようにその楽器を知るようになった曲が他にもある。フルートはモーツァルトのフルート曲と思うかもしれんが、わしの場合はドップラーの「ハンガリー田園狂詩曲」や。オーボエは明日香のテーマ、宮本文昭さんの音色に魅せられた。トランペットはいくつか有名な協奏曲があるけど、わしが思うだけかもしれんが、トランペットはトロンボーンやサックスと同じようにジャズやポップスやムードミュージックで活躍する楽器でクラシックやなくて、ニニ・ロッソの「夜空のトランペット」やヴィック・ディッケンソンの「マギー、二人が若かった時」やポール・デズモントの「テイク・ファイブ」を聞いた時やなかったかと思う。わしは、チェロやクラリネットやフルートやオーボエがオーケストラと協調して演奏される協奏曲なんかにも興味があるんやが、船場はクラリネット以外の協奏曲も知っとるんやろか。訊いてみたろ。おーい、船場ーっ、おるかーっ。はいはい、にいさんはチェロ、クラリネット、フルート、オーボエなんかの協奏曲の名曲が知りたいのですね。まずはチェロから行きましょう。おう、行ったって。私はチェロ協奏曲の金字塔はドヴォルザークのチェロ協奏曲だと思いますが、他には今一ついいのがないのです。ボッケリーニやハイドンは旋律が美しいのですが、特徴がなく仮にボッケリーニのチェロ協奏曲のある楽章を聞かされてハイドンと言われても、違うでしょとは言えないような気がします。ほんでもシューマンとかエルガーがあるやろ。どちらもいい曲だと思いますが、ドヴォルザークのと違って内省的というか、開放感がない曲なので聞いた後、すかっとしません。これは多分ドヴォルザークのチェロ協奏曲の印象が強烈で、チェロ協奏曲はドヴォルザークのチェロ協奏曲のようでなければという考えが頭に焼き付けられているからだと思うのですが、振り払うわけにも行きません。次に私の好きなクラリネット協奏曲ですが、これは文句なしにモーツァルトのクラリネット協奏曲が素晴らしいです。ウェーバーや最近知った、フィンジのクラリネット協奏曲も少し興味がありますが、聞き込んでいないので何とも言えません。ただモーツァルトのフルート協奏曲2曲はこじんまりとしていてあまり好きではありません。ヴィヴァルディやバッハも作曲していますが、メロディがぱっと浮かぶほど知っている曲はありません。オーボエ協奏曲はモーツァルトのが有名ですが、バロック音楽の作曲家がいくつか名曲を残しています。一番有名なのがマルチェッロですが、アルビノーニ、バッハ、ヴィヴァルディにも名曲があります。それからにいさん、ついでにギターとハープも言っといていいですか。ええよ。ギターはやはりロドリーゴのアランフェス協奏曲とある貴紳のための幻想曲の2曲がすばらしいです。クラシックギターという楽器はあまり大きな音が出せないので、どのようにコンサートをするのかとても興味があるのですが、今のところその機会がないのをとても残念に思っています。オーケストラと対峙して、アランフェス協奏曲を演奏するところなんか生で見たいところですが、多分叶わないと思います。ハープ独奏の協奏曲ではやはりヘンデルが一番で次にボワエルデューでしょうか。ドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」やラヴェルの「序奏とアレグロ」は魅力的な小品ですが、やはりハープ音楽で最初に頭に浮かぶのはモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲でしょう。お前、ホンマにその曲が好きやなあ。