プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 管弦楽のカテゴリーに属する曲は編」

わしの中学1年生の頃にお好み焼き屋さんの息子の鈴木君という男の子がいてよくマンガを貸してくれたんやけど、少年マガジンとその編集単行本の他によう貸してくれたんが楳図かずおの恐怖マンガの本やった。鈴木君は魑魅魍魎を描いた漫画が大好きやちゅーて、口が裂けて尖った歯が並んだ人のイラストをみんなに見せてよろこんどった。鈴木君、今どうしてるかなあ。そんなことがあって、わしは難しい漢字が並ぶと興味を持つようになったんやが、なんでかわからんがわしはそういう漢字は最初から覚えるのを諦めてしまう。挨拶もそうやが、鬱、鷲、鷹、鷺、鶯、麒麟、螺鈿、鑿、襷、蠟なんかは最初から書くことを諦めてしまう。小さいスペースに書けないことを理由にできるからや。カテゴリーの日本語訳の範疇もそうや。範疇は書けへんからカテゴリーと書いて済ます。種別とか言って誤魔化すこともできるかもしれんが、やっぱり外国語やったらカテゴリー、日本語やったら範疇がええと思う。クラシック音楽でいつも疑問に思うのは、管弦楽曲ってどの曲のことを言うのということや。交響曲と協奏曲以外のオーケストラで演奏する曲やと言われとるけんど、室内楽曲との境界が曖昧やモーツァルトのセレナーデやディヴェルティメントはどれが管弦楽曲でどれが室内楽やねんと叫びたくなるんや。セレナード第12番の「ナハトムジーク」が室内楽曲で、セレナード第13番の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が管弦楽曲と言われるが、CDによって違っとる。指揮者がいるかいいないかというのでもなさそうや。管弦楽曲と室内楽曲の違いを教えてくれちゅーても船場にはわからんやろから、管弦楽曲の名曲だけを教えてもらうことにするわ。おーい、船場ーっ、おるかーっ。はいはい、それでは兄さんが言われるように管弦楽曲のカテゴリーに入る曲だけを紹介させてもらいます。ヴィヴァルディやバッハはバロック音楽にひっくるめるんか。いいえ、音楽史とかバロック音楽に纏めることはしません。ほたら最初はバッハの管弦楽組曲第1番~第4番やな。いいえ、私はミュンヒンガー指揮の音楽の捧げものを聞いて以来、こっちの方が好きになりました。管弦楽組曲第3番のなかにG線上のアリアがありますが、全体的には舞曲の寄せ集めのようで盛り上がりに欠ける曲だと思うのです。ほたら何がええのん。やはりモーツァルトとベートーヴェンから始まりますが、ベートーヴェンの管弦楽曲はいくつかの序曲と「プロメテウスの創造物」と「ウェリントンの勝利」くらいであえて聞く必要はありません。でもモーツァルトはセレナードやディヴェルティメントと題して魅力的な曲をたくさん作曲しています。まずはディヴェルティメント第1番から第3番でしょう。その次はさっきも出たセレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」でしょう。他には第6番「セレナータ・ノットゥルナ」、第10番「グラン・パルティータ」それからディヴェルティメント第17番もいいと思います。ロマン派はぎょうさんあるやろな。さあ、どうでしょうか。まず、シューベルトは劇付随音楽「ロザムンデ」くらいですし、シューマンは「マンフレッド」序曲くらいです。ショパンは後世の人がショパンのピアノ曲を連ねてオーケストレーションを施したと言われる「レ・シルフィード」くらいです。メンデルスゾーンは劇付随音楽「真夏の夜の夢」の他、序曲「フィンガルの洞窟」がよく知られています。あんまりないんやね。リストは交響詩「前奏曲」と映画で有名になったハンガリー狂詩曲第2番ですね。映画「オーケストラの少女」でストコフスキーが指揮したあの曲やな。ブラームスはハンガリー舞曲全21曲がありますが、ぼくはピアノの連弾の方が好きです。ワーグナーの管弦楽曲ではやはり「タンホイザー」序曲でしょう。グリーグは「ペール・ギュント」の音楽、ドヴォルザークはスラヴ舞曲集、弦楽セレナーデ、序曲「オセロ」などです。シベリウスは「フィンランディア」「トゥオネラの白鳥」「悲しきワルツ」それから「カレリア」組曲があります。チャイコフスキーはものすごいたくさんあるね。なので3つだけにします。弦楽セレナード、幻想序曲「ロメオとジュリエット」、序曲「嵐」です。三大バレーはちょっと苦手なので。ほたらラヴェルの「ダフニスとクロエ」とかストラヴィンスキーの「春の祭典」もあかんのか。いいえ、「春の祭典」は大好きですよ。あとはシェーンベルクの「浄められた夜」かな。その前にリヒャルト・シュトラウスがあります。「ツァラトゥストラはかく語りき」もいいですが、「ドン・キホーテ」もいいですよ。船場、他にもフランスはビゼーとドビュッシーとラヴェル、イギリスはディーリアスとホルスト、スペインはファリャのお前の好きな曲があるやろ。うーん、そうでした。そうだ、スメタナの「わが祖国」を忘れていました。ケテルビーの楽しい管弦楽曲もレスピーギのローマ三部作やリュートのための古風な舞曲とアリアもありました。あまりに聞かなあかん音楽が多いんで困るところやな。そうですね、華やかなオーケストレーションはクラシック音楽の大きな魅力の1つですから。クラシック音楽にはそんな魅力的な曲がいっぱいありますので、聞かないと損だと思います。