プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 歌曲はシューベルトで宗教曲はバッハやね編
わしは小学4年生の時に英語教室にちょびっとだけ行ったけど、外国語の音楽を聞くようになったのは中学生になってからやった。それまではテレビで歌謡曲を見るだけやったけど、ラジオで洋楽を聞くようになるとその歌っている内容を知りたくなった。今やったらネット検索でほとんどの歌詞の内容がわかるんやが、当時はレコードを買うて解説書のところに印刷されている歌詞を見るしかなかった。しかも日本語訳が併記されているのはあまりなかったから、せっかく買うても自分で訳さなあかん場合が多かった。載っている英語に誤植があったりしたからわしは歌詞の内容を理解するのを諦めて歌付きの洋楽でもメロディーしか興味を持たんようになった。そんなわしやったから、洋楽でよう聞いてたのはムードミュージックと呼ばれるヨーロッパやアメリカのオーケストラ演奏による音楽やった。ポール・モーリア、フランク・プールセル、レイモン・ルフェーブル、パーシー・フェイス、マントヴァーニ、ニニ・ロッソ、カラべリ、ビリー・ボーンからはじめて、ロニー・アルドリッジ、ジョルジュ・ジューバン、ベルト・ケンプフェルト、レス・バクスター、ホルスト・ヤンコフスキーなんかも聞いたもんやった。カーペンターズやビリー・ジョエルの歌詞の内容が知りたいと思うてたら、もう少し英語の勉強頑張ったのかもしらんが、当時のわしは心地よく聞ける音楽だけを追い求めとったから歌詞を味わうことはなかった。そんなことやから、船場からクラシック音楽を聞けと言われてもヴォーカル入りだけは勘弁してと逃げとったんやった。上手い具合に船場も英語が苦手で歌詞に興味をもたへんかったから、外国のポップス、ロックはあまり聞かんかったみたいや。そやけどクラシック音楽を聞くようになってからは、見境なしになんでも聞くようになったみたいや。相変わらず内容はほとんどわからんみたいやけんど、クラシック音楽は歌入りでもよう聞きまんねんちゅーとった。あいつ、どんな曲聞いとるんやろ。ちょっと訊いてみたろ。おーい、船場ーっ、おるかーっ。はいはい、にいさん、相変わらず歌詞の内容を理解せず、耳触りの良い曲を聞いている私がどんな曲を聞いているかということですね。そうや、お前、ドイツ語とスペイン語を大学で習ろうたのに全然歌詞の内容を理解してないやろ。何のために習ろうたんや。ドイツ語を習ったのはシューベルトやワーグナーの音楽が少しでも理解出来たらと思って、スペイン語を習ったのは、イタリアオペラを理解するのに少し役に立つかなと思ったからでした。でも最近はネット検索すればだいたいのことはわかるので、歌詞や台本を読むことはまったくありません。そんな時間があったら、少しでもたくさん楽曲を聞こうと思っています。でもどうしても歌詞を理解したい時は調べています。ところで歌曲と宗教曲のお勧め曲は何や。歌曲は何と言っても歌曲の王と呼ばれるシューベルトの歌曲でしょう。フィッシャー=ディースカウの歌曲大全集を購入して一度全部聞きましたが、すべて聞きやすい音楽ではないので2度目は聞きやすいものだけをと思いますが、適当に散っているので、歌曲集「美しき水車小屋の娘」「白鳥の歌」だけ2度きいたくらいです。シューベルトの歌曲を聞きたくなったら、是非ルートヴィヒとパーソンズのCDを聴いてみてください。お勧めの曲はないんか。シューマンの「女の愛と生涯」「詩人の恋」は連作歌曲で聞きごたえがあります。モーツァルト、ベートーヴェンはいくつか名曲を作曲していますが、短い曲です。リヒャルト・シュトラウスの4つの最後の歌はオーケストラ伴奏の規模の大きな歌曲です。宗教曲はどうや。バッハのいくつかの曲をあげることになりますが、やはりマタイ受難曲が聞きやすい点で優れています。ロ短調ミサは聞きにくい気がします。クリスマス・オラトリオは季節ものかなと思って、今までに聞いたことがありません。それより短めのカンタータの方が聞きやすいです。第140番、第147番、第202番がお勧めです。他の作曲家ではまずブラームスのドイツ・レクイエムです。モーツァルトのレクイエムは最後まで作曲したら名曲となったかもしれませんが、やはり後半は物足りないです。クリュイタンスの指揮の名盤があるフォーレのレクイエムは思い込みかもしれませんが、良くないことが起きるので、お蔵入りにしています。そうなんやね。