プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 108」

福居は5月2日に開催されたクラリネットの先生のコンサートに昔一緒にクラリネットを習った同年輩の男性と行ったが、5月3日の高槻ジャズストリートには行けそうになかった。
<一昨年に富田公民館前の広場で高木里代子さんのライヴがあってよかったから、今年も行こうと思ったけど午後5時から1時間ぐらいのライヴを野見神社能楽堂でするということだから家からそこまでは1時間はかかる。それに今日は午後から雨という予報だ。午後7時には母親の世話をしないといけないので、やっぱり行かないことにしよう。お昼過ぎに雨が降り出し、本降りになるようだから早い目に夕ご飯のおかずを買っておこう>
そう思って福居はスーパーに行くために家を出たが、しばらくするとM29800星雲からやって来た宇宙人が福居に声を掛けた。
「キミハサクジツクラリネットノセンセイノライヴニイッタヨウダガ、オモシロカッタカイ」
「ああ、谷さん、よかったですよ」
「ドンナトコロガヨカッタノ」
「一緒にクラリネットを習っていた男性と一緒に行って道中いろんな話をしました。最近友人と会話する機会がなかったので、話に花が咲きました。それから先生が演奏された曲も素晴らしかったです。いつもは私の知らない小品がほとんどですが、今回は私が演奏してほしいと言った曲を2曲も演奏してくださいました。他にも知っている曲がいくつかありました。クラリネットとピアノで花のワルツを演奏されたのもよかったです」
「ゴールデンウィークハソレデオワリナノ」
「明日朝までに雨が止んだら、京都府立植物園に行きたいです」
「アンタ、キョウトフリツショクブツエンガスキヤナア」
「そりゃー、安上がりですし、植物の写真を撮るのが好きですし、ホームページに載せられますし」
「ソレニ5ガツト6ガツハイロイロオタノシミガアルンヤネ」
「そうです。5月中旬には小澤一雄氏の個展があります。6月にはLPレコードコンサート、ディケンズ・フェロウシップの総会(西南学院大学)、クラリネットの発表会があります。いつも思うのですが、もう少し分散できないのかなと。7月以降来年の4月まではLPレコードコンサートくらいしか楽しみがありません」
「デモタノシミナンヤカライランコトカンガエント、ソノトキニタノシンダラエエガナ」
「おっしゃる通りだと思います」
「トコロデレンキュウデジカンガアルカラ、ナガイメノメイバンオシエテ」
「そうですね、時間にゆとりがあるのなら、バッハはどうでしょう。まずはブランデンブルク協奏曲はどうでしょう。クレンペラーがお勧めです。もう少し時間がおありでしたら、マタイ受難曲がいいですね。これは断然リヒターの旧盤がいいです。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全曲はシェリングが定番ですが、ミルシテインもいいですね」
「ホカノサッキョクカデエエノナイ」
「じゃあ、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲はどうでしょう。ケンプ、バックハウスのどちらもいいと思います」
「ワシ2バンスキヤナイカラ、ホカノ4キョクダケキクワ」
「お好きなように。楽しい時間を過ごせばいいのですから」