フリードリッヒ・グルダのベートーヴェン ピアノ・ソナタ全集
私がクラシック音楽を聴き始めたのは1978年4月、私が19才になった時のことでした。最初はFMラジオから流れるクラシックの曲をエアチェックして聞くだけでしたが、家にステレオがあったのでレコードも買うようになりました。1ヶ月ほどして何かガイドブックがあればもう少しクラシックへの理解が深まるのではと思って本屋さんで音楽の棚のところを見ていると、共同通信社から出版されていたFMfanコレクションの「オーケストラの本」と「ピアノの本」が目に留まりました。すぐに購入して帰りましたが、この二冊の本は今でも私の愛読書となっています。作曲家、演奏家、名盤の紹介の他に、当時活躍されていた音楽評論家の方々の読み応えのある読み物、解説などがたくさん掲載されていて今読んでも楽しくためになります。はじめに興味を持ったのが、「ピアノの本」のグレイト・ピアニスツ ディスク・ギャラリーというページでした。当時活躍または存命していたピアニストの名盤を紹介したページでホロヴィッツ、リヒテル、ルービンシュタイン、ケンプの巨匠、その時に活躍していたブレンデル、アシュケナージ、ポリーニ、ゼルキン、ベネデッティ=ミケランジェリ、グールド、グルダの名盤が紹介されていました。ここで紹介されているレコードで購入できるものはないかと近くのレコード屋さんに行くとグルダの Gulda
spielt(ドイツ語で遊ぶ) Bach,Mozart,Schubert,Chopin というレコードが売られていました。1,300円だったので早速購入して帰りましたが、どの曲もグルダが楽しんで演奏していることがよくわかりました。特にショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズはそれまで感じなかった感動がありました。ピアノの演奏で感動したのはこれが初めてでした。それでグルダというピアニストに興味を持ったのですが、当時彼の廉価盤のレコードで購入できたのは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲とピアノ・ソナタでした。
社会人になってからグルダのピアノを音のよい外国盤で聞いてみたいと思いピアノ・ソナタ全集を買ったのですが、音がよかったからかピアノの響き(残音)が快く感じられました。期待した4、8(悲愴)、14(月光)、21(ワルトシュタイン)、29(ハンマークラヴィーア)はそれほどいいとは思わなかったのですが、15(田園)、23(熱情)、32は素晴らしく何度も繰り返して聞きました。特に第32番はベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタの感動的な演奏ということで今も愛聴しています。先に紹介したショパンの曲と共にここに掲載させていただきます。なお、シュピールトは1965年、アマデオ・レーベルのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は1967~8年ですので、その頃がグルダの一番輝いていた時代だと私は思います。
ショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第15番「田園」
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第32番