プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 110」
福居は5月28日から開催される小澤一雄氏の個展に行くために東京までの新幹線の往復乗車券を購入しようと思ってJR高槻駅の緑の窓口に来たが、福居が中に入ろうとするとM29800星雲からやって来た宇宙人が、ワシモイレテと言ってついて来た。
「ああ、谷さん、谷さんも遠方に行かれるのですか」
「イイヤ、ワシハアンタヲミカケタカラ、ハナシヲシヨウトオモッテネ、ソレデコエヲカケマシテン」
「ということは何かぼくに用事があるのですね」
「イヤ、タダナントナクコエヲカケタクナッテ、コエカケマシテン」
「そうですか、でもせっかく声を掛けてくださったのだから、何でも言ってください。答えますから」
「ホンマニ、ナンデモイッテエエンカ。ホタラ、ココハナニガウマインヤ」
「そ、それは答えられません」
福居はM29800星雲からやって来た宇宙人の質問に答えられなくて、ゆでだこのような顔になった。
「他の質問だったら答えられると思うので、別の質問をしてください」
「ホタラ、マツヤノトンテキテイショクトナカウノウナギベントウデハドチラガウマインカナ」
「うーん、ぼくはトンテキ弁当ですが、なぜ今そんなことを谷さんが尋ねられるのですか」
「ソラ、ナカナカナンデモキイテトイワレテモ、デテコンカラネ。ソウイウトキチキュウノヒトハ、テンキノコトヤクイモンノコトヲワダイニスルトキイテマンネン」
「そうですか、でも天気のことや食べ物のことを話してもその人のことをより深く理解できるようになるわけではありませんから、なるべくならそういう会話は短くして、相手がうーん、鋭いなと思うような質問をする方がいいと思います」
「タトエバ、ドンナンデッカ」
「トンテキとうなぎはなんで王将で食べられへんのとかですね」
「ソレモクイモントチャウノン・・・ホタラ、コンナンハドウデッカ。イーガーコウテイヤエンザーキーハナンデツルハシフウゲツデタベラレヘンノ」
「それでもいいと思います」
「デモサイキンアンタオウショウニイッテナイノトチャウノン」
「おっしゃる通りです。、王将は素材の新鮮さと味付けが売りなのですが、どこの店も王将一号店のような味付けではありません。王将一号店は人気店なので午後5時を過ぎるとたくさんのお客さんが来るので、どうしても午後4時過ぎに夕飯を食べることになります。そうなると夜中に空腹で目が覚めたりします」
「ニンキテンハユウショクノジカンタイハコムカラネ。トコロデワシサイキンクラリネットノキョクヲヨクキクネンケド、モーツァルトトブラームスノキョクイガイデ、クラリネットガカツヤクスルキョクヲオシエテホシイノヨ」
「ぼくは、シューベルトのアルペジョーネ・ソナタのクラリネット演奏がお勧めなのですが、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンなどの弦楽器で演奏されることがほとんどのようです。ぼくが持っているド・ペイエ盤も入手困難です(第1楽章と第2楽章だけならYOU
TUBEで聞けます)」
「ソウナンヤネ、アラッポイエンソウハアカントオモウケド、ドナイヤロ」
「そうですね、クラリネット奏者のブルンナーがベートーヴェンの七重奏曲をピアノ三重奏曲に編曲したもののヴァイオリンのパートをクラリネットで吹いているCDがあるのですが、空回りしている感じです。果敢に挑戦しているのに敬意を表しますが、演奏は下手です。やっぱり、クラリネットの演奏は寛ぎがないと駄目だと思います」」