プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 114」

福居はディケンズ・フェロウシップの春季総会で福岡まで来たのだからと考えて、もう一泊して別府温泉地獄めぐりに行くことにした。午前7時博多駅発の特急ソニックに乗り午前9時22分に別府駅に着いた。観光センターで3時間半ほどで効率よく地獄めぐりができないかと尋ねたところ、7つの地獄めぐりの窓口でいちいち入場券を買わなくて済む共通観賞券と亀の井バスの一日乗車券を販売してくれて、血の池地獄と龍巻地獄は離れたところにあるから先に行くとよいと言われたのだった。9時28分にバスが出るのでバス停で待っていると、M29800星雲からやって来た宇宙人がやって来て福居に声を掛けた。
「モウスグ9ジ35フンニナルケド、ユックリマッテイテイイノ」
「ああ、谷さん、来られていたんですか。観光センターの受付の方はいつも3、4分遅れて来ると言われたので、もう少ししたら来るでしょう」
「ソウカナ、ワシハ10フンイジョウタッタラ、ホカノセンタクシヲエランダホウガエエトオモウヨ。タクシーダイガタカクツクケレド、ジョウホウテイキョウシテクレルカラ、ソッチノホウガトクナントチャウカナア」
9時40分になってもバスが来ないので、福居はタクシー乗り場に行った。M29800星雲からやって来た宇宙人は自分の小型宇宙船で先に行くと言ったので別れたが、タクシー乗り場に行くとすぐにタクシーに乗れた。タクシー運転手は親切な人で福居が地獄めぐりは初めてなんですと言うと20分余りいろいろな情報提供をしてくれた。1.血の池地獄と龍巻地獄は近くにあるが、龍巻地獄に先に行って間歇泉が吹き出る時間を確認しておくのがよい、先に血の池地獄に行って龍巻地獄に行き間歇泉が噴出したすぐ後だったら待ち時間が長くなる。2.両方の地獄の観賞が終わったら、バスを利用して鉄輪に行き、5つの地獄を見る。3.鬼山地獄はワニ好きの人が海外からワニを購入したのが始まりだが、意外に人気がある。4.白池地獄は地熱を利用して熱帯の魚を飼っている。アロワナやピラニアがいる。5.鬼石坊主地獄は気泡が坊主の頭のようになることはない。6.海地獄は地熱を利用して熱帯性睡蓮を育てている。7.時間があったら、別府らしい景色なので湯けむり展望台に行くとよい。
福居が運転手に言われたように龍巻地獄の受付の人に噴出の時間を尋ねてから血の池地獄に向っていると、M29800星雲からやって来た宇宙人が再び福居に声を掛けた。
「ウンテンシュノオッチャンガイロイロオシエテクレタヤロ」
「ええ、谷さんがおっしゃる通りでした。龍巻地獄の間歇泉が定期的に噴出することがわかっていないと3~40分はロスしていたと思います」
福居とM29800星雲からやって来た宇宙人は血の池地獄と龍巻地獄を観賞したが、福居がバス乗り場に行こうとするとM29800星雲からやって来た宇宙人は言った。
「ワシ、カンナワニハジブンノノリモノデイクカラネ」
福居は10時48分のバスを待ったが11時8分になっても来なかった。しばしば空車のタクシーが側を通過したが、一日乗車券を全く使わないのは不本意だった。11時10分になってようやくバスが来たので乗車した。鉄輪で下車して、鬼山地獄に行き、鬼の前で、<危険ですので、鬼に上らないでくださいと書いてあるが、上る人がいるのかな>と思っているとM29800星雲からやって来た宇宙人が突然現れて言った。
「ワシ、オニガスキヤネン。シャシントッテクレヘンカ」
「いいですよ。でも鬼に上るのは駄目ですよ」
「アカンノヤッタラ、ヤメトクワ」
白池地獄ではM29800星雲からやって来た宇宙人はアロワナやピラニアとにらみ合いをして楽しんでいた。海地獄を見て7つすべてを見終わるとM29800星雲からやって来た宇宙人は福居に言った。
「ゼンブミラレテヨカッタネ。デモモウ12ジ30フンニナッタシ、ベップハツノトッキュウガ13ジ10フンニデルノヤロ。バスハカンガエント、タクシーデカエリナハレ」
「ええ、そうします。谷さんはどうされます」
「ウミジゴクデウッテイタ、ゴクラクマンジュウヲタベテミヲキヨメテカラカエルワ」
「ぼくもそうしたいところですが、次回に取っておきます」
「ソウヤネ、ジゴクマニアトイワレルマデガンバッテネ」