プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 花火を撮るのもライフワーク編」
わしは幼少の頃から突然大きな音が鳴るのが嫌いで、風船が割れる音、スタートの合図のピストルの音、打ち上げ花火の爆発音が苦手やった。それから船場も嫌いなポン菓子を作る時の爆発音も苦手やった。そやからそういう場面に出くわさんように陸上競技や水泳競技の選手にはならんかったし、お尻で風船を割らなあかん時には行方をくらましたもんやった。それからわしが中学2年生の時に家族旅行で富士五湖に行った時に河口湖で花火大会があったんやが、大音量を上げて打ち上げられる大玉の花火に怯えて花火を見ることはなかったしあまりの爆音に耐えられなくなったわしはおかあちゃんに断って旅館に一人で逃げ帰ったんやが道に迷うていつまでたっても頭上で花火の爆音が鳴っとった。そんな大きな音が苦手やったわしは近くで花火大会を見たいと思ったことはない。わしが高校生まで住んどった国鉄の木造官舎からはよう水都祭が見えたから毎年楽しみにしとったんやが、それは直線距離で15キロ以上離れていて爆音がほとんど聞こえんかったからで、もし親が水都祭を近くで見たらきれいやよと誘われても行かんかったと思う。そんなわしでも社会人になると爆音もある程度我慢できるようになったから、今やったら河口湖の花火大会も楽しめると思うんやがその後は家族旅行に行かんようになったから、花火大会は近くで開催される淀川花火大会と茨木辯天花火大会くらいしか行かへん。わしは花火大会の写真を撮らんから1人で見に行くのはもったいないと思うとる。それでいつかは船場と一緒に花火大会に行きたいと思う取るんやが、あいつはあいつなりに忙しいみたいやし花火大会にはあまり行かんようや。今年は天気が良かったんで茨木辯天花火大会に行きよったみたいやが、あいつうまいこと花火の写真撮れたんやろか。いっぺん訊いてみたろ。おーい。船場ーっ、おるかーっ。はいはい、にいさん、今年の茨木辯天花火大会の写真うまいこと撮影できたか気にしてくれてはるんですね。今年は去年と違って天候にも恵まれました。雨が降らないだけでなく、台風の影響か微風が吹いて暑さも余り気になりませんでした。ほんで、ええ写真は撮れたんかいな。今年は言うことなしと言えるくらい楽しく撮影できました。私が撮りたい打ち上げ花火は大玉が重なり合うというものではなく、趣向を凝らした色彩豊かなもので掲載しているような花火です。そやけどこんな花火がそのまま打ち上げられることはないんやろ。そうです200枚位撮影した中から写っている画像を選んでトリミングをします。トリミングってなんや。よく写真を撮る前に両手の親指と人差指で四角を作り被写体を枠に入れたりしますが、それを撮影した写真でするのです。Macの「写真」で画像処理をしますが、明るさを調整したりトリミングができるので便利です。うまいこと撮れたんやったら、他の花火大会にも行きたいやろ。いいえ、今回も欲を出さずに近くにいいところがないかと思って出掛けたところ当たりだったのですが、今回のように腰を据えて撮影できるところが見つかる保証はありません。そういうところが見つかると思って淀川花火大会に数年花火を撮影するための機材を持って出掛けたのですが結局空振りでした。大輪の花火を撮影するという一般的な撮影が目的ではないのでそのための場所は提供してもらえないのかもしれません。でもぼくは少し離れたところから余裕を持って画面に収まる花火を撮りたいと思っています。まあ、船場は何でもやることがちょっと変わっとるから花火の撮影もそうするんやろ。でもずっと同じ会場で撮っていてもつまらんのとちゃうか。いえいえ花火似たようなものはあるかもしれませんが、個性的なものばかりです。すっと茨木辯天花火大会で撮影していても撮りつくすことはありません。今年のように撮影出来ればと願うばかりです。そうか、ほたらわしも船場のためにそう願っとくわ。





