プチ小説 「いちびりのおっさんのぷち話 クラリネット編」

黄金週間ももうすぐやっちゅーのにわしは相変わらずやわ。第一金がないんやから、しゃーないがな。
こんな時はな、ぱーっとおもろいこと考えて、時間をつぶすんが一番やと思うんやが、なんかないかいな。
そうや、「こんにちは、ディケンズ先生」って小説を書いた船場弘章の趣味はクラリネットちゅーとった
けど、なんぞ面白い吹き方を考えて、ぷぷーって笑って、暇つぶしでもしよかいな。
クラリネットちゅー楽器は、1枚リードの楽器でオーボエは2枚ちゅーのは誰もが知っとることやが、
あんた知っとる。て、自分できいてもしゃーないわな。そうや、しゃーない、しゃーない。うんうんうん。
ようオーボエは官能的な音やと言われるんやけど、クラリネットも艶っぽい音を出したりしよる。
バグパイプはリード4本でこちらも考えようによっては官能的な音や。クラリネットのマウスピースに
なんとか5本のリードを取り付けて吹いてみたら、そら、ものごっついエキゾチックやなかったエロチックな
音がでるんやろけど、そんなことやってみよう思う人はおらんやろな。そうやろなー。うんうんうん。
でもリードの形状や材質を変えたらこらいけるかもしれへんな。わしが知ってるんでは、2.5ちゅーのが
一番うすいやつやと思っとったけど、1.5ちゅーのもあるみたいやな。薄くなるとようふるえるちゅーから
官能的な音も出よるかもしれん。もっと薄い0.5のぴらぴらのリードをこさえたらええのかもしれんが、
もしかしたらカズーみたいな賑やかな音になって、ムードが台無しになってしまうかもしれん。カズーファンの
人ごめんな。許してや。うんうんうん。
そうや、リードを鰹節やあたり目を加工して作るちゅーのもええかもしれへんな。味のある音がするっちゅーてな、
ははははははははははははははははははははははははは、腹が痛なったわ。笑いすぎて。うんうんうん。
そやけど何も口で吹かなあかんということもないかもしれんな。鼻で吹くとか。それがでけへんのは、
マウスピースが鼻に入れへんからとちゃうんやで、アンブシャーがでけへんからや。上の歯でマウスピースを噛んで、
リードを下唇の上で振動させなあかんのやけれど、これを長時間つづけていると振動に堪えられなくなって来るようや。
2時間くらいが限界やって船場弘章は言っとったけど、そんなん言うんやったら、4のリードとか使うてあんまり振動
せーへんようにしたらええと思うんやけど、それやったら音が出ーへんかもしれへんな。うんうんうん。
鼻が使えたら、船場も練習が3倍できるからええと思うんやけど、だれかアダプターみたいなやつをつくってくれへんかな。
そうしたら、長時間の練習ができるようになるやろけど、人前で練習するのが恥ずかしいから、こっそり練習するやつが
増えるやろな。もしかして鼻のまわりを隠す器具ができるかもしれへんなって、そんなあほなことを考えるんは
俺だけやろな。うんうんうん。
船場弘章に、あんた比良山によういくんやから、武奈が岳の頂上でクラリネットを吹いてきーなちゅーたら、船場は、
クラリネットはもともとは室内で演奏するための楽器で、屋外での演奏には適しません。特に寒さ、湿度それに直射日光
なんかは大敵やっちゅーとったけど、人のやらんようなことをするのがBIGなんや。ひとの尻ばかり見ているようでは
一流になれへんでって説教したった。
船場が、じゃあ、どうすればいいんですかって涙目でききよったから、おれは、そら自分の尻見てたらええんやがなちゅーたら、
船場はマットレスの上で前転を繰り返しよったけど、ほんまおもろいやっちゃで、船場は。うんうんうん。