プチ小説「青春の光62」
「は、橋本さん、何か御用ですか。急いで来てくれとのことでしたが」
「そうなんだ。実は、いいアイデアが生まれたんで紙に書き写す前に田中君に聞いてもらおうと思ってね」
「へえ、というと橋本さんのレアな(半生の)発想が今から聞けるのですね。で、どんなのですか」
「あいうえお作文と替え歌なんだが...」
「えーっ、それなら、どちらもずっとまえにここで紹介したしたはずですが」
「そうだったかな。いや、これはまったく違うものなんだ。なぜなら、この前は、『こんにちは、ディケンズ先生』のあいうえお作文と替え歌だったが、今回は、『こんにちは、ディケンズ先生2』のそれなんだ」
「2が付くか付かないかだけで、余り変わらないように思いますが、大丈夫でしょうね」
「もちろん。作品の内容もグレードアップしたことだし、私も頑張って脳みそを残り一回分の歯磨きのように絞り出すようにして作ったんだよ」
「そうですか。それじゃー、さっそく行きますよ。こんにちは、ディケンズ先生2の「こ」は」
「こりゃあ、ちょうどいい」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「ん」は」
「んーん、しびれる」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「に」は」
「にゃんとも、素晴らしい出来栄えだ」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「ち」は」
「超傑作になるだろう」
「何か褒めすぎのような気がしますが...こんにちは、ディケンズ先生2の「は」は」
「はははと笑わせるユーモアセンスが光るところもある」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「デ」は」
「デラックスなところもある」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「ィ」は」
「いいなあ、これと言ってもらえるところもある」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「ケ」は」
「傑出した作品」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「ン」は」
「ンーン、たまらない」
「こんにちは、ディケンズ先生2の「ズ」は」
「ズシンと来る重量感」
「もう、最後はひとつにしますよ。こんにちは、ディケンズ先生2の「先生」は」
「先生の作品はほんとに素晴らしいですね」
「先生って???こんにちは、ディケンズ先生2の「2」は」
「2回目になるとさらに味わいがでてきますね。小澤一雄先生、素晴らしい「カバー絵」と「挿絵」をありがとうございます」
「......」
「どうだ、なかなかよくできているだろう」
「まあ、橋本さんに何か考えがおありなんでしょう」
「そうなんだ。小澤先生は今回も素晴らしいイラストを描いてくださっている」
「なるほど。で、替え歌は船場さんのことを歌っているんでしょうね」
「......」
「違うんですか」
「近代文藝社の担当者のことを歌おうと思ったんだが、次回までに船場君用を考えとくよ」
「......」