プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 ジョギングは楽し編」

わしはちいこい頃から走るんが苦手で、特に長距離走はいつもべべたやった。いつも、ああしんど、ああしんどと言って走るから、神童と言うあだ名もついてしもうた。わしは自分の不甲斐なさを恥じて、近くの公園を走るようになったんやが、それから数日してポン菓子屋の軽トラがやってきたんや。わしはなにかおもろいことをするもんやと思うとったんやが、円筒形の金網をとりつけると突然ドカンと一発やりよった。それで爆発音が大の苦手なわしは公園に行かへんようになったわけやが、それを機にスポーツでええ成績を取ることをあきらめ、勉強をちょびっと頑張って、趣味をばんばんする人生を歩いて行こうと思うたわけや。ちいこい頃にそんな決心をしたおかげで、収集は、切手、ベリカード、レコード、古書をやってきたけど、写真、登山、天体観測なんかもやっとった。ものにはならんかったけど、なにかに熱中するちゅーのはええもんやで。船場は7年前にクラリネットを習うのを始めたちゅーのに、今度はジョギングをやっとる言うとった。あいつほんまに多趣味でそれなりにやっとるんやけど身体がもつんやろかと心配になるで。今日もジョギングしてくるちゅーとったけどもう帰っとるんやろか。おーい、船場、帰っとるか。はいはい、にいさん、どないしはったんですか。どないしはったちゅーて、おまえ、最近、ジョギング始めたちゅーのはほんまか。へえ、、ほんまです。おまえがへえちゅーたから、へえしとうなったわ。ブッブッブッ、あー、すっーとした。にいさん、あほなことはやめてください。あほなことちゅーたな、もう一回したろ、ブッブッブッ。ええかげんにしてください。船場、おまえもするやろ、生理現象やからしゃーないがな。出物腫れ物所嫌わずちゅー説明はいらんやろ。まっ、そらそうですが、ぼくのジョギングも似たようなところがありますね。そうかおまえへえ○○ながら走るんか。まさか。ほ、ほたら、なんやねん。どうしようもなくなって、ブッブッブッと走り始めたんです。なるほどなー、走る前にブッブッブッとやるわけやな。わかったでぇ。そんなことばかり言うんやったら、もう帰りますよ。冗談やがな。ほな次いこか。ぼくは最近2年前に発症して、その時も治るまで6ヶ月かかった五十肩が再発したんです。夏から、胸部、肩、両腕、手のどこかに激痛がありましたが、なんとかやり過ごしていました。でも3週間前から上腕から肩に激痛が続き、首も動かせないような状態になりました。湿布薬もアン○○ツも効かなくなり、どうしようかと思い、全身を解すような運動をすればいいのではと思って始めました。おまえのことやから出来合いのもん、中学校の頃の体操服で間に合わせとるんやろ。いえいえ、ウェアとシューズは新調しましたし、この前、短パンとニット帽も買いました。それでどこ走っとるんや。まあ今のところ、自宅(高槻市)から淀川の堤防に出て、枚方大橋を渡り、京阪枚方市駅まで走っています。前回は自宅から枚方市駅まで61分かかったのですが、今日は52分で行けました。あと、枚方大橋を渡ってから堤防の景色が良い道があるのですが、こちらは前回8分かかったのが、7分で走れました。そうか、わかったでえ、次は京都、その次は名古屋やな。まさか、日曜日の朝だけやろうと思っているんですから、そんな遠くにはいかないと思います。そうか、ほたら、枚方大橋を渡ったら、ウサイン・ボルトみたいに枚方駅まで走るようにしたら、どうや。な、なんでですか。ほしたら、みんな、おまえのことが気になって、どちらさんですかちゅーてきくから。『こんにちは、ディケンズ先生』の船場ですちゅーたら、ええねん。なるほど。