プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 準備万端整えば憂いなし編」
わしはちいこい頃から、近々行われることに備えて予行演習や学習に勤めるということが苦手やった。よき指導者が、あるいはほのめかしてくれる人が周りにおらんかったちゅーのが一番の原因やが、野放し状態やったわしは高校の頃までテレビばかり見て過ごしとった。今度の運動会で一番になるために一緒に走らんかとか、少年野球大会でええとこ見せるために走ろうやとか、受験勉強でへばらんように走っとこうやとか、プレゼンテーションで恥をかいてもすぐに立ち直れるように走るんがええんとちゃうとか言うてくれる人はおらんかった。何でも自分でやらなあかんことに気が付いて、ちゃっちゃと走り出す人はきっと人生を上手に渡っていきよるんや。わしの場合、肝心な時に力が出せず何度も恥をかいて頑張ろうと思って、それから心を入れ替えたから良かったんや。でもな、残念ながら幼い頃から体力づくりをせんかったんで、力のなさを自覚してそれでおしまいということも多かった。人間の力には限りがあるから、一番になりたくてもなれない場合もあるんやが、続けていると貴重なものが手に入るということはよくあることや。そのためには基礎体力や自分を見つめ直す時間は必要で、簡単で明日からでも始められるちゅーのが自分の足で走ることやと思うんや。周りの環境がのんびりジョギングできるもんでなかったり、体調が思わしくないのでできんこともあるやろうけど、船場は五十肩で右肩が痛みで動かせんようになったんで週末にジョギングをはじめたちゅーてたから、少しでも走れるんやったら始めてみるんもええんかなと思うんや。船場は五十肩の痛みも緩和されて、副産物として第25回高槻シティハーフマラソン10キロの部完走賞をもろたらしいけど、最近はどうしとるんか訊いてみたろ、船場―、おるかー。はいはい、にいさん、ジョギングのことやったら、私に電話してください。なんで、わしがあんたに電話せなあかんのや。昔、運動器具のコマーシャルで外人が言うとったの、にいさん知りませんかー。知らんなー、でもスタイリーやったら、知っとるよ。ところで、船場、お前長距離走の大会に出たけど、その後どうしとるんや。2月11日に始動しようと考えたのですが、今年一番の寒波がやって来て最低気温がマイナスになると聞いたので、心臓や脚に影響が出たら怖いと思って自粛しました。それで昨日、予行演習を初めてしました。ほう、42.195キロ走って来たんか。まさか。ぼくの次の目標は3時間以内にハーフマラソンの距離を走ることですよ。高槻シティハーフマラソンは2時間35分が制限時間ですから、かなり頑張らないと出るのは無理だと思います。けど、お前、10キロ1時間13分で走ったんやから、そのままのペースで走り続けたら、時間内に走れるやんけ。そらそういうことになりますが、実はあの大会のタイムが今までで一番早かったんです。メインストリーム(こういう言い方をするかはわかりませんが)から置いて行かれないようにと一生懸命走りました。そういうことですから、あれ以上ないし同じくらいの速さで20キロ以上を走るのは現時点では不可能でしょう。それでとりあえずはハーフマラソンの距離を走ってみようと昨日走って来ました。13キロと21キロやったら、たいして変わらんやろ。いえいえ、そんなことはないです。それに新しいジョギングコースを模索しながらのジョギングだったので、めちゃくちゃ疲れました。いつものように京阪枚方市駅から枚方パークを回って枚方大橋を渡ったまではよかったのですが、高槻市内の堤防(北に行きました)の道は車が多くて走れず、市街地に入ったのですが、道に迷って結局、河川敷の道を走って枚方大橋まで戻りました。ここで5〜6キロ走って、いつもの道に戻ろうと考えたのですが、1キロ程少な目で帰って来ました。それでどんなけ走ったんや。道に迷ったことで体力を消耗して、結局、20.4キロ(グーグルマップで測定しました)で所要時間は3時間50分でした。最後は足が上がらず、歩いているのと変わらないほどでした。でもそれなりの成果はあったと思っています。10月頃までに高槻シティハーフマラソンのハーフマラソンの部に出場できるくらいまでタイムが上がったら、ハーフマラソンの部に出ようと思いますが、さっきも言ったようにとりあえず、ハーフマラソンの距離を3時間以内ですね。それもええけど、あんた80キロ以上も体重があるんやから、まずは減量して膝の負担を減らしといた方がええよ。