プチ小説「青春の光4」
「 この前はすみませんでした」
「何かあったかな。君が謝るようなことが...」
「いや、それならいいんです。話はかわりますが...、この前言われていた、「ほの明るいものを
見つけてはなるべくたくさんの人で楽しむ」には何がいいのかと考えてみたんです」
「それで...」
「例えば、行灯のような明かりの中で朗読会などを開催するのはどうでしょうか」
「......」
「余り面白くなかったですか」
「面白いと言えば...。はははははははは」
「どうされたんですか」
「はははははははは」
「......」
「いや、思い出し笑いをしただけさ」
「何が橋本さんをそのように笑わせるのですか」
「いや、それは言いたくない」
「でも、ふだんから寡黙な方が、それほど笑うのはなぜなのか...」
「知りたいというのかね。また思い出してしまった。はははははははは」
「橋本さん、僕はそれを教えてもらうまでは、今日は帰りません」
「はははははははは。笑いすぎて、頭の筋肉が引きつるようだ」
「さあ、教えて下さい」
「そうか、それほど知りたいのだったら、教えてあげよう」
「何ですか」
「ははははは」
「それは」
「実は、さっき新聞を見ていたら、ゆるキャラのぬいぐるみが出ていて、
それの顔のところが浣腸器のようだったんで、笑ってしまったんだ」
「......。橋本さん、それは制作した人に悪いですよ」
「その通りなんだから、どこが悪いんだ。可笑しいものを笑って、なぜ悪い」
「実はあれは僕が提案したもので、それを元にぬいぐるみを作ったんですよ」
「......」