プチ小説「たこちゃんのグルメ・リポート5」

ぼく、たこちゃん。美味しい食べ物に目がない50代のおじさんなんだ。今回は焼肉について話そうと思うんだけど、もちろん一皿千円とか2千円する、高級国産牛肉など食べたことがないんで、話ができない。家で食べるのは、もっぱら近くのスーパーで買った豚ロース肉なんだ。それでもオリーブオイルで焼いて、少し塩コショウを振りかけるととても美味で、フライパンで焼けた熱々を4、5枚食べてしまう。焼きそばや焼うどんをする時はいつでもこんな感じだから、口の中を火傷してしまうんだ。豚肉はトンテキも大好きで、こちらも塩コショウを掛けて焼いて、ウスターソースを掛けて食べる。カレーもポークカレーがいいかなと思ったけど、カレーはやっぱり食感がいいから牛カレー肉がいいかなと思うんだ。ぼくは吹田市から高槻市に引っ越して、30年以上になるんだけど、引っ越してすぐの時には家の近くに焼き肉食べ放題の店があって、よく利用したものだった。値段をはっきり覚えていないけど、制限時間が1時間で1,500円くらいだったと思う。肉はまあまあだったが、タレが脂っぽくておいしくなく、これではあまり食べられないなと思った。それでもその頃は若くて牛肉に飢えていたので、手軽に利用できるその店によく行ったものだった。ぼくの家は裕福でなかったから、中、高校生の頃は年に2、3度のスキヤキ(たまに焼肉もしたが)で牛肉を摂取していたけれど、その代わり、近くの肉屋で買って来たマトン肉(生後1年以上の羊の肉 12か月未満の肉はラム肉 ジンギスカンはどちらも使う)で焼肉をよくしていた。羊の肉は固くて独特の臭いがあるので好みじゃないという人があるけれど、ニンニクやショウガで臭い消しをすると味わいがあって、柔らかいラム肉は牛肉より美味しいことがある。そういうことで札幌ススキノや東京赤坂の店でジンギスカンを食べたが、子供の頃に食べたジンギスカンの味の方が良かった気がする。きっと肉屋のおじさんの味付けがよかったのだろう。ジンギスカンは中華料理屋でも食べられるが、JR吹田駅構内にある珉珉のジンギスカンは本当に美味しいんだ。珉珉は全国チェーンでどこの店でもこのメニューにあるようだ。タマネギが3分の2を占めるけど、甘酸っぱいソースと具材がばっちり合っていて、餃子と一緒に定食を食べると1,110円なのに満足感に浸ることができる。焼肉のついでにホルモンの話をすると、ぼくはレバーは好きだけど、シロはあまり好きじゃない。もつ鍋で新鮮な脂っこいシロばかりが入っていて、これを全部食べないといけないのと思ったことがある。若い人には栄養があっていいのかもしれないけれど、あまり脂っこいのは消化が悪い気がする。ホルモンが食べたいのなら、王将のレバニラ炒めがちょうどいいのかもしれない。