プチ小説「たこちゃんのグルメ・リポート7」
ぼく、たこちゃん。美味しい食べ物に目がない50代のおじさんなんだ。ぼくは、生まれ(大阪府茨木市)も育ち(大阪府吹田市)も大学(立命館大学法学部)も関西だから、そばとうどんのどちらが好きと尋ねられたら、ぼくがうどんと答えると思われるだろうが、実はぼくはそば派なんだ。そば派になったのは中学生の頃、阪急茨木市駅と豊津駅をよく利用していて、その駅を利用した時にはいつも阪急そばの店に入って、たぬきそば(甘辛醤油で煮込んだ薄揚げが乗ったそば)を食べていたということがあると思う。今思うともちろんそばは手打ちではなくどちらかと言えば茹で過ぎた歯ごたえのない麺だったが、だしが濃くておいしく、一滴残さず食べていた。就職してからも職場の最寄りの駅の阪急相川駅にも阪急そばがあったので、たぬきそばを食するためにしばしば利用した。今までの話でおわかりだと思うが、この当時のぼくはそば自体はどうでもよく、甘辛く煮込んだ薄揚げとおいしいしょうゆだしがそばの評価基準だったんだ。それでも40代になった頃から、手打ちそばのお店を何軒が回ってみた。神田の有名店も回ったが、東京のそばで美味しいなと思ったのは、高円寺パル商店街にあるそば茶屋のそばなんだ。ぼくはそこで大方はおでんと馬方そばを食べるが、他にもいろいろなメニューがあるから、いつも何を食べるか迷ってしまうんだ。その後もおいしい蕎麦屋を探してるんだけど、今から10年ほど前に長野を訪れた際に長野市街と戸隠の蕎麦屋を何軒か回ったことがある。その時にも有名店をいくつか回ったけど、だしが美味しいという店が見つからなかった。でも何気なく商店街に入ったところ、そば処とがくしという店があり、そこはそばもだしも美味しかった(おばさんの話も面白かった)。一泊二日の旅行だったので翌日もその店に行ったが、帰りの電車を待つ間にJR長野駅前の手打ちそば処戸隠に入ったところ、この店もそばがおいしく、ご主人と話していると、こちらのお店をご主人が担当して、権堂の店は奥さんが担当しているということがわかった。そばは東京、長野だけでなく全国に有名な店があるので、これからも究極のそばを求めて全国のいろんな店に入ってみたいと思う。ところでうどんについては、讃岐うどんをもっと研究(?)してから美味しい店を紹介したいと思うけど、昨年、ディケンズ・フェロウシップの春季大会で松山に行った時に鍋焼きうどんの美味しい店を2つはしごしたんだ。鍋焼きうどんは松山のソウルフードと言われお店も多いんだけど、ことりとアサヒは有名店であり、讃岐うどんのような腰はないけどどちらも美味しかった。一度食べてみられてはと思う。