プチ小説「たこちゃんのグルメ・リポート8」

ぼく、たこちゃん。美味しい食べ物に目がない50代のおじさんなんだ。ぼくが子供の頃はファミリーレストランでハンバーグ定食を家族で食べるということはなく、外出して家族で食事をする時には、うどん、そば、カレー、オムライス、中華そばなんかを食べていた。母親が夕食でハンバーグを出すこともなく、ハンバーグを食べる機会としては弁当でマルシンハンバーグを食べるくらいだった。ぼくが20才の頃になって、「大きくなれよ」のフレーズで大いに売れた、丸大ハンバーグが脚光を浴び、レトルト食品で手軽なので、晩ごはんのおかずによく出るようになった。どちらのハンバーグも家庭的な味できらいではないのだが、一人暮らしをするようになって、自分で買い求めて食するということはなかった。その分、ファミリーレストランなどの飲食店で美味しいバンバーグがないものかとガイドブックを見て訪ね歩くようになった。ぼくはどちらかというと焼けた鉄板に乗せられ油を跳ね上げながら出てくるバンバーグのほうが、白い皿にちょこんと乗せられて出てくるそれより好きなんだ。ソースはデミグラスソースよりももう少しあっさりした、ビネガー入りのソースの方が好きだ。いくつかの店でハンバーグを食したが、今ではハンバーグはここで充分という気持ちになっている。その店はJR御茶ノ水駅前にあるカロリーという店(明治大学の近くにあるので、明治大学の学生さんやOBがよく来られる)だが、ここのハンバーグはあっさりしていて、いくつ食べてもあきない(あまり大きくなく、追加注文ができる)。から揚げも大きくて美味しいので、一度行かれてはどうかと思う。カロリーを見つけるまでは、美味しいハンバーグに出会うことができず、ある日、自分で作ってみようと思った。材料は、牛豚あいびきミンチ(ぼくの場合、一度にたくさん作るので、800グラムくらい)、たまねぎ(2個)、ピーマン(一袋)、青ネギ(適量)、卵(3個)、和風だし(2袋)、片栗粉(適量 つなぎに必要)それからビネガーの代わりに餃子の具味付け用(富士食品工業)を2袋入れて、20分程掛けてこねた(大きめのサラダボウルが必要)。それを適当な大きさにしてラップで包んだ。3時間程、冷蔵庫で寝かせて、厚めの鉄板で焼いたが、少し酸っぱい塩味がして、美味しかった。ソースがいらないくらいだが、好みによってとんかつソースをかけるのもよいかと思う。大量に作って、3日ほどかかって食べるので、3連休で暇な時くらいしか作れないが、ぼくはジューシーなハンバーグのことを考えるとお腹が鳴るんだ。

  
ハンバーグステーキ プラス トッピング(ハンバーグ)