プチ小説「たこちゃんのグルメ・リポート12」

ぼく、たこちゃん。美味しい食べ物に目がない50代のおじさんなんだ。ぼくは高校時代に高槻市内にあったピザの食べ放題(土曜日の昼食時のみ)の店に行って以来、ピザが好物なんだけど、宅配ピザでLサイズ(14インチ)を1枚だけというのは物足りないし、2枚は食べきれないだろうしということで宅配ピザを頼むことはなかった。その代わりよく自宅でピザを作って両親と食べた。材料は何を使ったっかと言うと、食パン2斤、雪印のピザソース、雪印のピザ用チーズ、サラミソーセージ、ハム、タマネギ、ピーマン、アンチョビーなんかを使った。もちろんピザの専門店の味には遠く及ばなかったが、ピザソースやチーズが美味しかったし、ハムやソーセージとタマネギそれから生焼けのタマネギやピーマンとアンチョビーが口の中で混じるうまさは独特の味わいがあった。そんなわけで今から30年程前はよく昼食で両親にふるまったものだった。最近になってふとそのことを思い出して、スーパーに行き雪印のピザソースとピザ用チーズを探したが、残念ながら見当たらなかった。社名が変わった時に製造しなくなったのかと思ったが、ネットで調べるとメグミルクから出ているようなのでネットで購入して昔のように自宅ピザをやってみようかなと思っている。その時のために上記のトッピングの他に何がいいかということを知るためにどこかピザ専門店に行ってみようと思った。ネットで調べるとJR高槻市駅前(西武高槻の横)に本格窯焼きピザが食べられる ピッツェリア・スオナーレという店があった。正午過ぎに行くと誰もいなかったので、6つあるカウンター席の一番奥に座った。メニューを見たら、ランチタイムなので1500円のピザセットがあったけど、ぼくはピザだけが食べたかったので見送った。ここのピザは10インチ(Mサイズ)だったので、2枚は食べられるだろうと思い、まず2枚のピザ、ひとつはマルゲリータ(モッツアレラチーズ、トマトソース、バジル)、もうひとつはカルボナーラ(モッツアレラチーズ、タマゴ、タマネギ、生ハム)を頼んだんだ。10分程でマルゲリータが出てきたが、石窯で焼くので焦げが気になった。でも食べてみると焦げは気にならなかったし、思ったよりも生地が柔らかくて消化がよい気がして、これならもう1枚くらいなら食べられそうだなと思った。2枚のピザを食べながらメニューを見ていると、アンチョビーがトッピングされて、他にタマネギや緑の野菜(日によって変わる。この日はブロッコリーと莢インゲンだった)も乗っているアチューゲというピザにしたんだ。その後もメニューを見ていたが、オリーブ、タコ、シラス、トマト、ゴルゴンゾーラチーズ、リコッタチーズ、ソーセージ、サラミ、キノコなんかがトッピングされたピザが載っていた。この他にも前菜やスパゲッティも美味しそうだったけど、アチューゲを頼んで、できるのを待ったんだ。周りを見回すとテーブル席4つのうち3つが埋まっていた。すぐにアチューゲができて、ブロッコリーがトッピングされていたのを見て驚いたけど、アンチョビーとよく合って美味しかった。でもさすがにMサイズ3枚はヴォリュームがあり、残り3ピースは無理に押し込んだという感じだった。テーブルの奥には、オリーブ油に唐辛子を入れたものが置かれてあったが、そのままでも飽きずに美味しく食べられたので使わず仕舞いだった。ぼくはイタリアレストランは高くつくと思って、入ることはなかったが、飽きるほどピザを食べて、3,780円なら値打ちがあるかなと思った。もちろんまた行くつもりだが、次は、クワトロフォルマッジ(4種類のチーズのピザ)やロマーナ(モッツアレラチーズ、トマトソース、バジル、アンチョビー)の他、ワタリガニのトマトクリームソーススパゲッティなんかも食べてみたいなと思っている。