プチ小説「たこちゃんのグルメ・リポート16」

ぼく、たこちゃん。美味しい食べ物に目がない50代のおじさんなんだ。ぼくが小さい頃、月に1回はおはぎ(ぼたもち)を食べていた。和菓子好きの父親が給料日毎に買って帰ったというのではなく、夕食として月1回、母親が料理したものを食べていた。もち米を炊き、味噌汁も付いていたと記憶している。磁器のお皿に3つの大きめのもち米のおにぎりを盛り付けその上にあんこをたっぷり乗せたものを月に1回食べていた。そういうこともあって、小さい頃からあんこは大好きなんだ。和三盆、ハチミツ、黒糖などを入れて味を良くしたものがありこちらも好きだけど、白糖だけで炊き上げたあんこも美味しいと思っている。一時、御座候が好きになりしばしば食したことがあったが、最近は和菓子を食べることが多くなった。こしあんとつぶあんのどちらが好きかと尋ねられたら、つぶあんと答えるだろう。豆の皮にも旨味がありうらごしですべての旨味を取り出せていないと思うからなんだ。それでも赤福餅や水ようかんも大好きなので、こしあんは物足りないと言って食べないということはない。ただ1個200円以上する和菓子はぼくの手に届かない商品と言える。最近は、JR摂津富田駅前のKAMATARIでおはぎ(つぶあん115円 こしあん125円)を買って我慢しているが、昔、日乃出家でおはぎだけでなく、大福餅、柏餅、桜餅、酒饅頭、みたらし団子、きな粉餅などを購入して食べた。KAMATARIにそこまで望むのは無理なのかもしれないけど、徒歩で行ける範囲内にあんこの美味しいいろんな和菓子を取り扱っている店ができたらいいなと思っている。話は変わるけど、ぼくは20年来のライカのユーザーで祇園にライカの販売店があるというので行くことにした。その用事だけで祇園に行くのはもったいなと思い、近くに和菓子屋さんがないかインターネットで調べたら、おばあちゃんの手作りおはぎ、小多福というのが、ライカの店の近くにあったので、購入して帰った。小さな扉を開けるとおばあちゃんがいて、私が全部やっていますと言われた。黒糖が入っていたり、梅の酸っぱい味がついていたりで飽きの来ないようにしているが、形状と味はおばあちゃんそのもので素朴なんだ。