プチ小説「いちびりのおっさんのぷち話 今度はマクロなお花見編」

わしがちいこい頃は放課後や休日の遊びゆうたら、近所の空き地でする三角ベースの野球しかなかった。ボールは軟球というトップと言われるボールより柔らかいゴムのボールやった。しょっちゅうホームランを打つ子がいてその子は楽しくてしょうがないようやったが、わしはいつも凡退ばっかりやったんで、空き地で遊ぶことはなくなり、野球はもっぱらテレビで観戦ということになったんやった。その代わりの遊びとして励んだのが虫取りやった。カブトムシやクワガタちゅー大物はわしらのところにはおらへんかったんで、もっぱら、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ギンヤンマを捕るのが楽しみやった。ニイニイゼミ、アブラゼミは家の近くにポプラ並木があってそこでよう捕ったもんやった。ギンヤンマは官舎の中にあるいくつかの貯水槽にやって来たやつを捕まえた。ヤンマ釣りというのがあって、タコ糸にメスのギンヤンマを繋いで頭上で回転させてオスのギンヤンマをおびき寄せて捕獲するちゅーのもよくやったけど、これはメスのギンヤンマを捕獲せんとでけん。休みの日になるとメスのギンヤンマを求めて遠くの方まで遠征(ちゅーても家から2、3キロやが)したもんやった。小学校4、5年のある日、初めて顕微鏡でミジンコを見て顕微鏡が欲しくなった。ミジンコは田んぼでよく見かけたし、身の回りに顕微鏡で見るもんがようさんあると思ったんやが、顕微鏡のプレパラートに乗らんと見られんちゅーことと顕微鏡の倍率ほどのちいこい生物はなかなかつかまらんちゅーことそれから生物はよく動くんで扱いが難しいちゅーのがあって、あきらめたんやった。それでも社会人になって、マクロ(これはマクロレンズで写す被写体のことを指すんやが)な被写体に興味を持たせるようなCM(たこのあかちゃんやクリオネが出てくるCM)をみて、またマクロの世界に興味を持ったんやった。それでも水生生物を写すんは難しくこれも断念したんやった。船場は高校の頃から一眼レフで写真を撮るようになった。風景写真が多いからマクロの写真は撮りよらんのかもしれんが、いっぺん訊いてみたろ。おーい、船場ーおるかー。はいはい、マクロ撮影のことですね。私も写真を撮り始めた頃から接写には興味がありました。それで社会人になって10年ほどして、オリンパスOM1用のマクロレンズを購入して花とかを撮影したものでした。それでもマクロレンズでの撮影と言うと地味なもので、主となる被写体を大写しにするので、被写体が傷んでいたりすると撮影を取りやめることになるのです。何度か植物園でひとり撮影会をしたものでしたが、季節によっては接写したい植物がまったくないということもありました。そうかそれでやめたんか。いえいえ被写体が豊富にある時にひとり撮影会をすればよいと考え、お花見の頃に桜を撮ることにしたんです。最近、ホームページに掲載したマクロなお花見というのがその成果なのです。そうかそしたらまた来年、造幣局とか行ったりしてお花見ついでにマクロレンズで桜の花の接写撮影をするんやな。来年と言わず、このゴールデンウィークに京都植物園でマクロレンズでのひとり撮影会を考えています。よく知られた花のマクロレンズ撮影を一年通じてしようと思っています。そうやなー、『こんにちは、ディケンズ先生 改訂版』も全然、売れてへんようやし、還暦も過ぎたことやし、せいぜいやりたいことをやっとくことやな。そうですね、プルーストは『失われた時を求めて』の中で、「文学作品のすべての材料は、過ぎ去った生活の中にある」と言っています。せいぜいいろんなことをやって、『こんにちは、ディケンズ先生』の続巻の中に盛り込んで行きたいですね。