プチ小説「Wさんによるつまびらかな説明」

ライカのM9を購入したというのに使い方がよくわからない私は、購入する時にお世話になったライカ銀座店のHo氏に電話を入れました。電話をすると女性の方が出られました。
「ライカM9をそちらで購入したものですが、Ho氏はおられますか」
「申し訳ありません。本日は休暇をいただいております」
「一昨日に入金し、昨日、M9が届いたのですが、使い方があまりわかりません。今度の週末に長野に行くのですが、基本的な使い方を教えていただけたらありがたいです。M6のユーザーですが、M9のことは全然わかりません。まずISOというのはASA感度と同じと考えてよろしいですか」
「ええ」
「では、今はASA400が主流となっているので、400に合わせるとよいですか。100では室内では全く撮れませんので」
「それでいいと思います」
「ASA800の銀板フィルムで撮影すると黄色っぽい写真になりますが、M9の場合、ASA800で撮るとどうなりますか」
「黄色っぽくなることはないですが、画像が少し劣化します。でもそれほど大きな劣化ではないです」
「以前、レンズ付きで10万円位のデジカメを購入して撮影していましたが、絞り優先、シャッタースピード優先など気にせずにシャッターを押すだけでした。それについて詳しく教えていただけますか」
「スイッチを入れて、Sに合わせます。シャッタースピードのところをAにあわせ、絞りを任意のところにセットすると適切なシャッタースピードでの撮影が可能になります。そのシャッタースピードはファインダーの中に表示されます」
「シャッタースピード優先の場合は、シャッタースピードを任意のところに合わせればよいですか」
「ええ、任意のところに合わせれば、適切な絞りで撮影してくれます」
「距離計はどうですか」
「レンジファインダーですので、M6と同様に二重の画像が一つになればピントが合ったということになります」
「Mマウントのレンズはすべて使用ができると聞きましたが...」
「M9のマニュアルを見ると一部、使えないレンズがあるようです。エルマーf4/90mm、ズミルックスMf4/35mmなどですが、改造すれば使用可能ですので、うまく行かない場合には、問い合わせてください」
「エルマーf4/90mmは持っているので確認してみます。ズミルックスは処分してしまいました」
「沈胴式は必ず伸長させた状態で使用してください。M9に取り付けてから沈胴させると中の機器を破損させます」
「しばらくは、沈胴式でないズミクロンの35mmと50mmを使用するつもりです。慣れてくれば、エルマリート21mmやエルマー50mm(沈胴式)を使ってみたいと思っています。最後に画像処理のことを教えていただけますか」
「最初は画質の劣化が少ないDNG(RAW)に設定されています。このままでは、SDカードを写真屋さんで現像してもらえません」
「となるとAdobeやPhotoshopでの画像処理が必要ですか」
「いいえ、SETのボタンを押すと2番目に圧縮というのがありますから、DNGからJPGfineに変えてください。そうすれば画像の処理の必要はなくなります」
「わかりました。これでなんとかなりそうです。ところで収納ケースのことですが、取り扱われていますか」
「残念ながら、当店では取り扱っていません。ネオプレーンケースというのが新しい商品ですが、中古カメラ店などで探してみられる方がよいかもしれません」
「よくわかりました。また銀座店に行きますので、よろしくお願いします」
「お待ちしています」
(この会話は、ライカ銀座店のWさん、Ho氏、Ha氏の説明を混ぜ合わせて創作しました)