プチ小説「青春の光87」

「は、橋本さん、どうかされたのですか」
「今日は『こんにちは、ディケンズ先生3』『こんにちは、ディケンズ先生4』の出版する準備が整ったということで、ゲストとして船場弘章君にお越しいただいたんだ」
「あ、船場さん、お久しぶりです」
「田中君、何をとんちんかんなことを言っているんだ。我々は確かに便宜的に3人の形を取っているが、実際のところは船場君の考えていることなのだから、久しぶりというのはおかしいだろ」
「でも、この小説に登場されるのは久しぶりなんですから」
「まあまあ、お二人とも固いことは言わずにお手柔らかにお願いします。本日、ここに出てきたのは、いつもお二人にお世話になっているお礼と私の新刊について話ができればと思ったからなんです。いつもお二人には応援いただき感謝しています。お陰様で、『こんにちは、ディケンズ先生』も幻冬舎ルネッサンス新社さんからの出版となって、2018年11月29日に第1巻の改訂版を、2019年11月29日に第2巻の改訂版を出版しました。2020年3月4日には第3巻と第4巻が出版されることになっています」
「新刊のことなら、私たちからも告知しています」
「ありがとうございます。では私からはネタバレにならない程度で、各巻の内容について少し説明したいのですが、よろしいですか」
「私たちもそのあたりのことを知っておいた方が、宣伝しやすいので言ってもらった方がいいです。ねえ、橋本さん」
「田中君もああ言っているんで、第3巻の方からお願いします」
「ここでは、新たに際立つ2人の人物が登場します。ひとりは小川の夢の中にディケンズ先生と一緒にあるいはひとりで登場します。本をぱらぱらとめくっていただくと挿絵にも出てくるのですぐにわかると思います。この人はたまに登場して和ませてくれます。もうひとりは外国人で第1巻と第2巻でも登場している、あの外国人です」
「ディケンズ・ファンのあの外国人ですね。彼はどのようにかかわっていくのでしょう」
「あんまり言ってしまうとネタバレになるので、ディケンズと音楽で小川とかかわりを持っていくとだけ言っておきます」
「でも船場さん、それでは大川や相川とあんまり変わらないのではないですか」
「いえいえ、外国人なので、他の登場人物とは違った考えを持っていると言えるでしょう。彼は名古屋に住んでいるので、名古屋のことも紹介できたらと考えています」
「では第4巻はどんなんでしょう」
「あとがきでも触れていますが、私の人生を豊かにしてくれたものとして、ディケンズを頂点とするイギリス文学とクラシック音楽を上げています。第2巻では長女がピアノを習うためイギリスに留学するというところで終わっていますが、小川や他の登場人物も音楽を披露して活躍します」
「小川、秋子、深美、桃香だけでなく、アユミ、大川、相川、それから外国人も...」
「外国人は、ベンさんと呼ばれます」
「相川がアマチュア小説研究家として、その成果や自作小説で楽しませてくれたけど、こちらはどうなるのかな」
「もちろん、石山や俊子や課長のキャラを使わないのはもったいないので、引き続き登場してもらっています。それから小川も自作の小説を相川や大川に披露しています」
「ということは、大筋の小説の中で2つの小説が展開するということになるのか。ややこしくないのかな」
「まあその辺は支障がないよう気を付けていますから、ご安心ください」
「そうか、まああんまり内容を知ってしまうと楽しみが減ってしまうかもしれないから、この辺にしておこう」
「そうですね、ユーモア小説というのは、読者をあっと驚かせるというところも、楽しみなんですから、そこをバラしてしまうとまずいと思います。それじゃあ、お二人とも、頑張って下さい」
「船場さんの方こそ」