わしがちいこい頃は、ひとりで夢中になってやるちゅーたら、本を読むことや走ることくらいしかなかった。そやから運動が苦手なわしは罪悪感を感じながらマンガ本を本屋で立ち読みするか、図書館で本を借りて読むしか選択肢がなかった。そやけど今の子供さんはスマホを持っとるから家でゆっくりゲームをやり放題で、そんなんでひとりの寂しい時間を手軽に過ごせるもんなんや。そんなんやからたくさんある選択肢の中から、本をじっくり読むちゅーのを選ぶ子供さんは最近少ない。ところでわしも高校生になって写真部に入ってからは写真を撮ることに夢中になったが、これもお金がかかることやった。写真を撮るためにはまず機材がいる。標準レンズがついた一眼レフで撮ってても、限界を感じてくる。ほんで望遠レンズや広角レンズや接写レンズを買いたくなるんやが、当時は中古で安く買うようなインターネット通販がなかったから、８掛け位の価格でカメラ屋で購入するしかなかった。機材が揃ったとしても、フィルムと印画紙を購入せなあかん。年末年始や夏休みに郵便配達で稼いだお金もフィルムと印画紙代で消えてしもうた。今やったら、通販で安い高級デジタルカメラと交換レンズを購入して。電子媒体（SDカード）に記憶させたらええんやから、思う存分ひとりで写真撮影を楽しめるんや。ひとりでゲームが楽しめたり。カメラで写真を撮り放題なんやから、今の子供さんはなんて幸せなんやろと思うんやけど、あまりに選択肢が多いから、かえって困っとるのかもしれんな。船場も高校生の頃から写真部に入って、いろんなカメラや周辺機器を購入してきよった。ライカM６を愛用しとった頃は、フィルム撮影を地道にしとったが、最近、M９を購入するようになってからは、大事に一枚一枚撮影するようなことはなくなって、矢鱈目ったら、写真を撮っとるちゅーのを聞くんやが、あいつどんなあほなことをやっとるんか、訊いてみたろ、おーい、船場ーっ、おるかー。はいはい、どんなあほなことをしとるかということですね。そうや、お前、この前、植物園でいっぺんに４５０枚写真を撮ったやろ。写真ちゅーもんは一枚一枚精魂込めて撮るから、映像に魂が宿るんや。そやけどにいさん、K＆Fのアダプターを利用して、ライカM９のボディにオリンパスOMシリーズの交換レンズを取り付けるとどうしてもそうなってしまうんです。なんでや。そら距離計がないからで自分で大体の距離を測ってそこにカメラを持ってきてシャッターを押さなあかんからです。２月１９日に京都府立植物園で撮ったんですが、３枚に１枚ピントが合った写真が撮れたらいいところで、７、８枚撮っても全部ピンボケというのもありました。結局２時間ほどで４５０枚ほど撮りましたが、バッテリー切れがなければ、あと１時間位は植物園にいたかもしれません。あんたが、夢中になるのもわかるけど、たいがいにせんとあかん。でもこれに懲りたやろから、５月のゴールデンウィークの頃にもう一回花の写真を撮ったら、ええんとちゃう。いえ、私は高校生の頃、撮影会の時に標準レンズ付きの一眼レフと一緒に２００ミリの望遠レンズを持ち歩いたものでした。その望遠レンズで夜景をはじめいろいろと撮ってみたいと思っています。KOMURAのTEREMORE９５というテレコン（２倍）レンズを持っていますので、こちらも使ってみたいと思っとります。もしライカ用のテレコンレンズがあったら、それも使ってみたいと思っています。お前にはええ玩具なんかもしれんけど、純正レンズやないし、距離計もないんやから、やめとったほうがええと思うけどな。そうかもしれませんけど、これだけ撮れたら、使ってみたいです。
