プチ小説「青春の光9」
「橋本さん、どうされたんですか、難しい顔をして」
「いや、気にしないでくれ、少し不愉快なことがあっただけさ。でも、話は手身近に頼む」
「今日は、「消えた衝撃波の謎」というタイトルです」
「何か難しそうだな。高尚なネタは理解できないかもしれないよ」
「安心して下さい。それでは、この話は、A君とB君の話として進めて行きますが、途中からは、
発言の内容からどちらの発言か考えて下さい。
警備室で働く、A君とB君、A君はある時クシャミをしたら、小さな警告灯が反応してカラカラと
回ったので、自分には衝撃波を出す能力があると気付きました。A君は平和的な人だったので、
それを悪用しようとは考えず、忘年会の演芸で披露することにしました。警告灯を回すだけなら
面白くないので、そのパワーでリンゴを微塵にすることにしました。1ヶ月程練習するとリンゴ
を粉々にするレベルまで達したので、同僚のB君に披露することにしました。警備室で二人だけに
なる時に披露しようと思っていたところ、チャンスがやって来ました。A君が先にリンゴを机の上に
置いて待っていたところ、B君がやって来たので、A君はB君に「今からやるよ」と言って、こよりを
鼻の中に入れました。するとあろうことか、B君が、「おいしそうなりんご」と言って、リンゴを
食べ始めました。A君は衝撃波のやり場に困ってしまいました。口をすぼめて、「こまっちゃーう」
と言って止めようとしましたが、それも無理なので、鼻をつまんでみました。すると、「ぷうーっ」
と音が出ました。
「なんだ、そんなことだったら、忘年会の演芸でやる必要ないよ」「......」「僕でもできるから。ほら」
しばらく沈黙が続きました。「どうしたの」「......。いや、なんでもない。トイレに行って来る」」
「B君の頭がこなごなになったら、これはブラックユーモアかもしれないが、笑えない。衝撃波という
恐ろしいものが愛らしいものに変わったところは流石だと思うが、終わりのところが少し品がない
ような気もする。まあ、75点くらいかな。実は...、私が田中君に品のないやつを避けてほしいと
お願いしたのは、こういうのを聞くと笑いが止まらなくなるんだ。「ぷうっー」だなんて、
はははははははは......」