プチ小説「天体観測はえ~よ」
新型コロナウイルスの蔓延で、いろんな行事が中止になったり、順延になっている。それでも天体の星は変わることなく運行していると言いたいところだが、昨年もそうだったが、6月の入梅の頃から、すっきりした天気がほとんどない。昨年は結局見切り発進という感じで、悪天候を覚悟のうえで、星のくに大塔コズミックパーク(奈良県)に行ってきたが、ほとんど晴れ間が見えることがなく、主天文台の大型望遠鏡での観測会の時に木星、土星、アルタイルそれから銀河の端っこが見えただけで、一晩中厚い雲が垂れ込めていた。そんなことがあったから今年も余り期待はしていないが、8月の新月の頃(21日(月齢2))にはもう一度星のくにに行きたいと思っている。とにかく昨年はカメラを2台持って行ったが、なぜか両方ともバッテリー切れで、施設の写真も撮れなかった(たまたま小型カメラも持っていたので、それでスナップショットを撮った)。赤道儀は備わっていないが、望遠鏡の貸し出しをしているので、それで銀河を見られたらいいかという軽い気持ちで行ったのが、いけなかったのだろう。だいたい私の場合、下見だけというふうな気持ちで行った時にはよい結果が出ていない。そういうわけで今年は赤道儀を購入して、星を追尾して撮影しようと1月にケンコースカイメモSを購入した。以前100ミリのタカハシの屈折望遠鏡で月や木星や土星を見ていたので、赤道儀を使うことはできるだろうが、それで、天の川銀河が撮れるんだろうかと思う。スカイメモSには明視野照明装置、ショートプレートがついているが、取扱説明書を読んでも、いまひとつ使い方がわからない。他にもアリガタプレートやバランスウエイト1キロも付属しているが、これらを使いこなせるんだろうか。三脚も負荷10キロに耐えられるくらいの5万円以上するものを新たに購入する必要があるかもしれないと思っていたが、スカイメモS本体とカメラだけなら何とか今使用している三脚が使えそうだ。でもバランスウエイトを使用して望遠鏡を取り付けるなら(セレストロンのシュミットカセグレン望遠鏡の軽量のものなら取り付けられるだろう)、星の撮影だけでなく、一緒に天体観測もできるだろう。でもカメラのレンズでは倍率を稼ぐことはできないから、天の川銀河くらいしか撮影できないだろう。この前星のくにに行ったときにいろいろ教えてくださった東元氏は、光量によって星が大きく写るフィルターがあると言われていた。これだと1等星など名前が付いている星が一目でわかるが、実際目で見ているものと違うので、ぼくは使うことはないと思う。やはり究極の目標は100ミリ以上の天体望遠鏡にカメラを取り付けてアンドロメダ星雲を撮影することだが、ペーパードライバーのぼくが今から運転の練習をして熟練の技がいる奈良の山奥の夜間の運転などできるはずがない。車で移動できないから、限られた機材を大きなリュックに詰めて星のくにのような施設を利用するしかない。カメラはライカM9を利用するので、ライカレンズの美しい色が期待できるだろう。真っ暗な空の中にいくつもの数えきれない色とりどりの星が散りばめられてあるのを見れば、宝石のような輝きに魅了されて、より高みを目指したいということになるだろうが、まずはスカイメモS(赤道儀)を使いこなして、天の川銀河や数多の星がシャープに写っている写真が撮れるように頑張るとしよう。そのためには来月21日の夜の天気が快晴であることを祈るばかりだ。