津和野ってほんとにいいですね

秋は、旅行のシーズン。でも今年は気軽に東京に行ってきます、というわけにはいかない状況になっています。最初は東京に久しぶりに行こうか(3日前までは本日ほどひどい状況でなかったのです)と思っていましたが、東京の1日のコロナウイルスの感染者が400人近くに増えたので、これは自粛しないといけないなと思いました。それで別のところへ行こうと思ったのですが、以前から行きたいと思っていて、行ったことがない2つの観光地が思い浮かびました。ひとつは小豆島、もうひとつが津和野でした。ガイドブックを購入してパラパラと見ると、小豆島は1日ではとても回れそうにないということことがわかり、津和野に決めました。
私は大阪府の北部高槻市に住んでいるので、新幹線で新山口まで行き、そこからスーパーおき(2両編成の特急列車)に乗り換えて、津和野に行くことにしました(萩に空港があるようですが、時間がかかりそうなのでやめました)。新山口駅を利用したのは初めてでしたが、東海道新幹線の岐阜羽島駅や掛川駅のようにほとんど新幹線が止まらないということはなく、新大阪から2時間余りで着いたのは驚きでした。新山口駅から1時間余りで津和野に着いたので、午前10時少し前には市内の散策を始めることができました。
この時期はやはり紅葉が見頃なので、津和野の紅葉スポットをガイドブックで探したところ、堀庭園と津和野城跡の2ヶ所が目につきました。堀庭園は駅からかなり離れたところにあるので、最初にそこに行き、昼食後、津和野城跡に行くことにしました。
駅前に観光協会があったので、そこの方にいろいろ教えていただきました。堀庭園には、何本かバスが出ているが、午前10時9分(時計を見た時は出発2分前だったので、乗るのを諦めました)の次には11時25分までバスがないこと。遠方にあるので、タクシーで行くとお金がかかること。津和野城跡に行くには、太鼓谷稲荷神社を通り抜けていくのがよくて、リフトを利用すると便利である。堀庭園ほど遠くないということを教えてくださいました。タクシーを呼べますよと言われたので、お願いすることにしました。
タクシーの運転手さんは、70才位の気さくな男性で、山道を通り抜けていると、この辺りはアジサイがきれいなんですよと言われました。見ると道沿いにアジサイが植えられていて、それが1キロばかり続きました。山道を通り抜けると突然、運転手さんが、今、喫茶店になっている古い建物は昔病院だったんです。自分が子供だった昭和30年頃、その病院に若い女医さんがいて、診察に行くのが楽しみだったんですよと言われました。運転手さんはさらにその女医さんの話をされましたが、割愛させていただきます。15分ほどかかり、タクシー代は3,260円かかりました。
運転手さんにタクシー乗り場を教えてもらいましたが、観光協会の方から教えてもらったようにその乗り場で、11時42分と12時25分のバスに乗車できるか不安だったので、近くにおられた、堀庭園の職員の方に確認しました。大丈夫のようだったので、左手の入り口から庭園に行こうとしましたが、受付が見当たらないので、入り口に戻り、道路の向かい側を見ました。受付と白い紙にマジックで書かれてあるのが目に入ったので、そこで500円を払って、庭園に向かいました。そんなのんびりした雰囲気でしたが、庭園の中に入ると、紅葉が今まで見たことないほどすばらしく、お庭や古民家がさらにそれを引き立てていたので、私はとりつかれたようにシャッターを切りました。平日で観光客が少なかったので、庭園もきれいに撮影できました。古民家の1階からの眺めも2階からの眺めも素敵でした。
   

11時42分のバスで堀庭園を後にした私は、駅前に戻り、沙羅の木で郷土料理のうずめ飯他を食べました。そうしてメインストリートを散歩してから、太鼓谷稲荷神社へと向かいました。高岡通りを歩いていると津和野の銘菓源氏巻きの焼き立てを販売している和菓子店があったので、津和野城跡から戻ったら寄ろうと思いました。しばらく行くと神社の入り口がありました。稲荷神社なので、鳥居がずっと連なり、本殿へと導いてくれましたが、私の目的は津和野城跡だったのお祈りをしてすぐにリフト乗り場へと急ぎました。リフト乗り場の手前に遊歩道があり、1時間程でリフト降り場(乗り場)に行けるようでしたが、往復700円払って、リフトを利用することにしました。リフト乗り場から10分程歩くと城跡の登り口につき、そこから本丸があったところまで、そこここにきれいな紅葉が見られました。
 

本丸に行くまでに何か所か眺めのいいところがありましたが、やはり本丸からの眺望は格別でした。青野山の形がほっこりしていて、見ていると何だか心が落ち着いてくるのです。青野山のやさしい姿に惹かれて、城跡まで上がられる方もかなりの割合でおられるのではないかと思いました。森鴎外記念館の近くに鳥居があるのも気になりました。紅葉にはまだ少し早かったのですが、緑にも輝きが残っていたし、何より晴天だったので、津和野城跡からの素晴らしい眺めを堪能できました。
  

メインストリートに戻り、時計を見ると午後3時少し前でした。お腹が少し減っていたので、先程の源氏巻きを実演販売していた店に行きましたが、源氏巻きを焼いていたおじさんの姿はありませんでした。店が開いていたので、中に入り、焼き立てを食べたいと言ったところ、実演販売はもう終わったが、冷めたのでよかったら、用意しますと言われました。私が2つほしいと言うとおばさんは目を丸くされましたが、源氏巻き2つの他にお茶も出してくれました。その後もメインストリートあたりをうろうろしましたが。午後5時27分のスーパーおき5号に乗れないと大変なので、午後4時40分頃には津和野駅前に戻り、駅前で時間をつぶしました。家には午後10時少し前に着きました。

鷺舞と用水路の鯉しか私は知らなかったのですが、観光名所をいくつか訪れてみて、津和野はほんとにいいところだなと思いました。そしてもっと早いうちに来ていたら、温かい気持ちになれるしよかったのになと思いました。