プチ小説「座談会「ええかげんにしなさい」について考える」

「こんにちは、「青春の光」で橋本さんの相方をしている、田中です。最近、「青春の光」で橋本さんと私の出番がなく、今日、ご出席いただいている、鼻田さんやいちびりさんもそれぞれ「たこちゃんの○○」や「いちびりのおっさんのぷち話 ○○編」での出番がなくなりました。もうこのままわれわれの出番はなくなるのかと思っていたところ、たまにわれわれが座談会で話すというふうになり、ほっと一安心というところですが、みなさんは船場さんの方針転換をどうお考えですか」
「そら、吉本新喜劇もたまに座長が変わって気分一新しているから、同じユーモア路線の船場君もいろいろやってみるというのはいいんじゃないか」
「そう言うのは簡単やけど、○○編と書いただけで、わしと船場との会話やなとわかるのは、いらん手間が省けてよかったんとちゃうのん」
「そうやでー、たこちゃんの○○とタイトルが出たら、これはわしと船場はんとの会話が後半出て来るなというのがわかるのは、読者に親切や、読みやすいと思うけどな」
「ぼくもだいたいおふたりと同じ意見です。「青春の光」とあれば、橋本さんと私の会話だけ、いやたまに船場さんが登場しますが...」
「そういうわかりやすい設定の中で、船場が自分の思っていることや芸術に対しての感想、意見を言って来た。船場を登場させて、対話形式にしたり、灰汁の強いキャラ(これはわしのことやが)にきわどいことを言わせたりした。こういうのはプチ小説という短い小説の中で、ひとりないしふたりの登場人物やからできたんで、4、5人の座談会となるとそういうわけにいかんのとちゃうんかな」
「でも、同じことばかりしていては、マンネリと言われるだろうし、我々も成長することがないでしょうし...」
「確かにそれは言えるかな。他のキャラが生まれる余地も作れるやろし。そんで今日のネタちゅうかテーマはなんやのん」
「「ええかげんにしなさい」というのが今日のテーマです」
「コロナのことは置いておくとして、いろいろええかげんにせいといいたいことが今年はようけあったわな」
「ぼくたちはあくまでも船場さんの予備軍、宣伝隊といった位置づけですから、社会問題を取り上げるというのはお門違いということになります」
「ということは船場の周辺の出来事を取り扱えばええんやな」
「そうですね。まず何と言っても、船場さんのことで一番気の毒だったことは、それこそ鼻息荒く、のぼせ上って、おしりをまくって、3月4日に出版した『こんにちは、ディケンズ先生』でしたが、コロナ禍の対応で忙しくされている大学の図書館のうち京都大学だけ受け入れて下さり、船場さんの母校の立命館大学でさえ受け入れられず、意気が上がらなかったというのがあります。でも大学図書館に無理を言えないですし...でも公立図書館も同じことになるんじゃないかとか船場さんは思われて、困り果てたようです」
「それで結局、何もしなかったちゅーことや」
「そうですね。する気になれなかったのでしょうね」
「それから音楽活動もできませんでした。LPレコード・コンサートもクラリネットのレッスンも三密回避を考えるととてもできないということになります。LPレコードコンサートは今年1回も開催できず、クラリネットのレッスンは3月以降受けていません」
「それでクラリネット日誌なんかが掲載できないちゅーわけや」
「船場さんは50の大学図書館に代行発送してもらいましたが、その30くらいの図書館に受け入れてもらえれば、近隣の公立図書館に足を運んで、受け入れを依頼しようと思われていましたが、大学図書館の受け入れが思うように行かないので、先程もあったように、何もできないでいます」
「第1巻が出版された時に、それこそ北海道から九州までのあちこちの図書館を訪れ、受け入れをお願いしたのにそれがでけへんのや」
「他に船場が困ってることはないんか」
「そういうことですから、第5巻の出版を目指して、301話以降の執筆が全然できないという状態です。船場さんは自分が好きなもう一つのもの、クラシック音楽にちなんだプチ小説を70話くらい書いて、出版しようと考えているようですが、ぼくとしては第5巻で大きな感動を読者に齎して、『こんにちは、ディケンズ先生』を充実した内容の(結末の)長編小説に仕上げてほしいのです」
「そらあんたの言うとおりや。」
「そうやでー、そのために船場はんは、うさぎとびとリヤカーごっこを朝晩欠かさずせんといかん」
「船場君が『こんにちは、ディケンズ先生」第5巻を出版したら、私は、金粉、メリケン粉、青のりを身体に塗りたくって応援しよう」
「とにかく、コロナの蔓延が一日でも早く治まり、船場さんのユーモアが溢れまくり、「ええかげんにしなさい」と言われるようになる日を待ち望んでいます」