プチ小説「座談会「料理は楽しい」について考える」

「こんにちは、「青春の光」で橋本さんの相方をしている、田中です。船場さんから、今日は料理について皆様方に語ってほしいというリクエストをいただきましたので、ご意見を伺いたいのです。船場さんは最近というか2日前の夜のことですが、カレーの具材を近所のスーパーに買いに行ったところ、たまたま海老芋を見掛け、それで船場さんは想像力を喚起、湧き立たせられたようです」
「そら、どういうことやねん。血沸き肉踊らせたんか。もっと詳しゅう話してくれんとようわからんわ」
「実は船場さんは、何度か京都の円山公園の中にある「いもぼう」という和食の店を訪ねたことがあり、そこの海老芋の煮物がめっぽう美味しい。ほっぺたが落っこちたと言われています。また海老芋は里芋が大きくなったものと考えることもできますが、里芋と言えば、山形の芋煮というのがあります。船場さんは今から20年ほど前に日本一の芋煮会で芋煮を食べるためにわざわざ山形まで夜行バスで往復するという弾丸ツアーを敢行したのでした」
「なるほどそういうことがあったので、煮物を中心とした料理にまつわる話をわしらに語ってくれちゅーわけやな」
「そういうことです。煮物というと日本食ですね。どんなものを思い浮かべますか」
「やっぱり、一番は野菜を砂糖醤油で煮込んだものだな」
「具材はどんなものがありますか」
「牛肉と一緒にジャガイモ、ニンジン、タマネギを煮込んだ肉じゃが、ゴボウ、ニンジン、レンコンを一緒に炒めてから煮込んだきんぴらごぼう、それから煮物は海藻なんかも一緒に煮込みますが、タケノコとワカメを一緒に煮込んだ若竹煮、ニンジン、薄揚げをヒジキと一緒に醤油で煮たヒジキの煮物、それからいろんな根菜を一緒に鶏肉と一緒に煮た筑前煮というのがあります」
「そうですね、そういった根菜を醤油で煮るわけですね」
「手間暇かかるから、わしら男性はお手上げや。わしら男性陣はそれが晩御飯のおかずに出るのを楽しみにしとる」
「でも船場さんは、ハンバーグやカレー、シチューと同様に煮物をこしらえることにも興味を持っておられるようです」
「さっきの海老芋の話に戻るけど、「いもぼう」では海老芋は塩分を洗い落とした棒鱈で煮込んでるみたいやけど、船場もそうしよったんかな」
「いえいえ、その日は芋煮に海老芋が入るというイメージで料理をしたので、具材は、牛肉、海老芋、里芋、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンだったようです」
「だしはどうしたのかな」
「最近はいいものが紙パックやペットボトルや瓶入りで出ているので、船場さんはそれを利用されたようです」
「「いもぼう」では皮を剥いただけの海老芋を棒鱈と一緒に長時間煮ることで旨味を引き出すようやけど、船場はせんかったんか」
「まあそこまでやるとなると煮込みにかなり時間がかかりますし。でも次回はやってみたいと言われていました」
「船場は思い付きでなんでもしよるから、いつが棒鱈と海老芋の煮物をこしらえるやろけど他はどうなんや」
「船場はんはビーフシチューなんかをこしらえたいみたいやけど、高級ビーフには手が出んようや。海老芋は大きめなのが1個500円で売っていたから、すぐに購入したようやが、100グラム3~5000円もするような食材は買わんやろ」
「まあそんなところやろ、船場はお金がかかることはしよらん。肉料理はひき肉で作るハンバーグがええとこや」
「そう言えば、船場さん、週末は、焼きそば、焼うどん、スパゲッティ、カレーばっかり、ウイークディの晩御飯はスーパーの安売り弁当と充実した食生活とは無縁です。それに塩辛いものばかりを食べるから、体調に変調を来たしていると言われていました」
「まあ、自分でいろいろ作ってみようなんて考えは捨てて、まともな食生活をするためにはどうしたらええのか考えることやな。そうせんとあいつ長生きできんのとちゃう」
「わしも前からそう思っとった」
「私もそうだ」
「ぼくもそう思います。船場さんはラジオでシイタケをスパゲッティに入れるとおいしいと聞いたので、、新しいシイタケを刻んで、〇屋のきざみニンニクと岩塩、鷹の爪と一緒に痛めてペペロンチーニにしたら美味しいんとちゃうと言っていました。でも船場さん、塩分取りすぎになるアホなことはやめて、ちゃんとした食生活を心掛けてください」