甲府ってええとこですよ

9月30日で緊急事態宣言が解除になり、ようやく秋の旅行に出掛けることができるようになりました。と言ってもコロナにいつ感染するかもわかりませんので、なるべく無理のない旅行をしようと考えました。1.日帰りで行ける。2.景勝地がある。3.美味しい名産品がある。4.今までに行ったことがない。5.のんびりできる。といった条件に合致する場所がないかと2週間ほど前から考えました。日帰りとは言え、やはり6~7時間の滞在時間がなければ、どこへも行けないし、昼食もゆっくり食べられません。そうすると片道せいぜい5時間くらいで景勝地までせいぜい1時間以内ということになります。こう絞ると、北海道はもちろん東北も難しく、九州も福岡県内までとなります。また高知県や新潟県、富山県、群馬県、栃木県も対象にはなりません。昨年は西に行ったし東でいいところはないかと思って、浮かんできたのが甲府でした。インターネットで検索すると、大阪北部からだと在来線、新幹線、静岡から特急に乗って行くと4時間半ほどで行けることがわかりました。また昇仙峡という風光明媚な景勝地があり、駅前からバスで48分とのことでした。また美味しい名産品は2つあって、ひとつはかぼちゃ入りのほうとう、もうひとつは鳥もつ煮でした。さらには山梨県立美術館からは富士山が拝め、同美術館には、ミレーの名画「種まく人」と「落穂拾い 夏」の他、バルビゾン派の作品が多数鑑賞できるとのことでした。でもそんなにたくさんのことができるかなと期待半分でしたが、昇仙峡は足もとが悪いところがあると記載があったので、ズックの靴はなく革靴しか持っていない私は久しぶりに登山靴を履いて出掛けたのでした。
  

ガイドブックに甲府城跡がすぐ近くにあると記載されていたので、観光センターで情報を得た後に行ってみました。駅から5分程で、城址の一番高いところまで登ることが出来て、雲まみれで冠雪もない富士山も見られたのですが、写真の出来栄えが余り良くないので、掲載は控えることにしました。それでも昇仙峡の展望台(今回は行ってません)や山梨県立美術館からも富士山は見られるとのことでしたのでそこでしっかり撮影しようと思いました。
昼食は、もちろんほうとうを食べようと思っていたのですが、ガイドブックを見ると「小作」という店が良さそうなので、観光センターから50メートルほどのその店に入りました。かぼちゃ入りほうとうとまったけご飯が1500円でしたが、舞茸の天ぷら500円とともに注文しました。野菜のうまみがたっぷりと味わえたので、満足でした。午前11時45分に昇仙峡行きのバスが出るので、「小作」は30分ほどで出ましたが、お客さんが多い割にはゆったりと座れて食事もすぐに運ばれてきたので良い店だなと思いました。
昇仙峡へと向かう山梨交通のバスに遅れが出て、少し焦りました。幹線道路で衝突事故があり、現場検証で流れが悪くなっているようでした。20分遅れで目的地に到着したので、早速カメラを取り出して、仙娥滝に向かいました。観光地によくある食べ物屋や土産物屋を通り抜け坂道を降りると奥まったところに仙娥滝が見えましたが、水量が豊富で緑が綺麗でした。さらにいつもそうなのかわかりませんが、滝壺から1メートルほどのところにくっきりと虹が見えていて少し暗いところで妖艶な光を放っていました。
  

最初の予定では、昇仙峡には2時間ほど滞在する予定でした。しかし交通渋滞で20分短くなったので、なるべく早く奇岩などの写真を取って、余った時間は土産物を見たり、ソフトクリームを食べたりしようと思っていました。しばらく行くと石門があり、それから10分も行かないところに覚円峰もありました。それから10分程行ったところに土産物屋がありましたが、客と店主が会話していて、あと7分ほどしたら甲府駅行きのバスが出ると言われたので、私はそれに乗れると時間が有効に使えると思い、登山靴で一所懸命走りました。無事バスに乗ることができましたが、20年間重宝して来た、ライカMシリーズのソフトレザーケースをどこかに置き忘れてしまいました。ばたばたしていたので、いまだにどこに置き忘れたのかわかりません。
  

昇仙峡からの帰りは渋滞に巻き込まれることもなく、そのバスがそのまま山梨県立美術館に行ったので、午後3時過ぎには館内に入り、ミレーの作品などの名画を見て、絵葉書、マグネット、ミラーなどのグッズを見てから、芸術の森公園で富士山を眺め、噴水のところで光彩を放つ虹を見る余裕がありました。展示されている絵画も素晴らしく、また来たいなと思いました。
  

午後5時までには甲府駅前に戻ることができ、もうひとつの甲府の名物、鳥もつ煮を食べることができました。おそらくいちばん有名な店、奥藤本店(「小作」のとなりにあります)でもりそばとともに鳥もつ煮1人前を注文しました。手打ちの蕎麦が美味しく、鳥もつ煮も砂糖醤油の味がしみていて美味しかったです(残念ながら、ライカM9の電池が切れて、撮影できませんでした)。奥藤本店を出たのが、午後5時40分で50分以上待ち時間があったので、土産物屋や甲府ワインの店をうろうろしました。行きも帰りも甲府⇔静岡の特急藤川の指定席ががらがらなのでいつもこんな少ないのかなと思いました。新幹線の信号トラブルで20分京都到着が遅れ、30分近く遅くなって帰宅しました。
昇仙峡のパノラマ台から冠雪した富士山を見たり、奇岩などの写真を撮ったり、天鼓林の紅葉を見たいので、機会があればまた甲府を訪れたいと思います。